【40代教員の退職カウントダウン218:退職まで残り2年6か月】
はじめに
年末が近づくと、教員の間で話題になるのが「差額支給」です。
「今年も差額って出るの?」
「いくらくらいもらえるんだろう?」
毎年なんとなく振り込まれて喜んでいるものの、その仕組みはよく分からない……という先生も多いのではないでしょうか。
私も40代の小学校教員として働いていますが、年末の差額支給はちょっとした楽しみの一つです。

2026年8月には、今年の人事院勧告が発表されました。
結論から言うと、2026年もかなり大きな給与引上げが勧告されています。
国家公務員については、民間給与との較差が15,056円・3.51%となり、ボーナスも年間4.65月から4.70月へ0.05月分引上げが勧告されました。人事院総裁も「本年も高水準のベースアップ」と説明しています。
では、この勧告が私たち公立学校の教員にはどのような影響があるのでしょうか。
この記事では、「そもそも差額支給とは何か」から「2026年度はいくらくらいになりそうか」「年代や地域で違うのか」まで、できるだけ分かりやすく解説します。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこちらの記事で【私はなぜ教員を辞めるのか――教員不足で仕事が増え続ける学校】
そもそも「差額支給」とは?
差額支給を簡単に言えば、「給与改定が後から決まったため、本来もらえるはずだった給与との差をまとめて後払いしてもらうもの」です。
公務員の給与は、民間企業との給与比較などをもとに毎年見直されます。
ただし、新しい給料表が4月1日の時点ですでに決まっているわけではありません。
夏から秋にかけて人事院や各自治体の人事委員会が勧告し、その後、法律や条例などが改正されます。
その結果、「4月から新しい給料表だったことにしましょう」と遡って改定されると、4月以降すでに受け取った給与との差が生まれます。
その差を後からまとめて受け取るのが、いわゆる「差額支給」です。

2026年の人事院勧告はどうなった?
2026年8月7日に公表された人事院勧告では、国家公務員の給与について平均15,056円、3.51%の引上げが示されました。
(人事院公式HP:https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisyakaiken.html?utm_source=openai)
さらにボーナスも0.05月増え、年間4.70月となる勧告です。
2025年も3%台の大きな給与改定でしたので、「昨年だけ特別だったのでは?」と思っていた先生もいるかもしれません。
昨年度の差額支給の解説はこちらの記事から→【2025年度の「差額支給」を徹底解説】

しかし2026年も高水準の給与改定となっています。
ただし、人事院勧告=全国の教員の給料が一律3.51%上がる、という意味ではありません。
人事院勧告の対象は国家公務員です。
公立学校教員は地方公務員なので、実際の給与改定は、それぞれの都道府県や政令指定都市などの人事委員会による勧告と給与条例などによって決まります。この決定に大きな影響を与えるのが、今回発表された人事院勧告なのです。
人事院勧告は、「今年の公務員給与がどちらへ動きそうなのかを見る大きな目安」と考えると分かりやすいでしょう。
2026年の差額支給はいくらくらい?
一番気になるのはここでしょう。私も事務職員さんに色々と聞いてみました。
残念ながら、現段階で「2026年は全国の教員に平均○万円支給されます」という数字はありません。
勤務する自治体の決定、年齢、号給、地域手当などによって違うからです。
例えば給料表改定によって月額が1万円上がり、4月から11月まで8か月分を遡って支給するなら、それだけで8万円になります。
さらに、給料月額を基礎に計算する教職調整額や地域手当などが変われば、その差額も加わります。
そのため、自分の大まかな差額を考えるなら、「新しい給料月額-以前の給料月額」×遡及される月数というイメージです。

もちろん実際には各種手当などもありますので、正確な金額は勤務先の給与担当や事務職員さんに確認してください。
現段階で言えるのは、人事院勧告が昨年並みだったので、昨年に金額に近い数字にはなりそうです。
2026年は若手だけでなく中堅・ベテランにも注目
ここは2025年との違いとして注目したいところです。
近年の給与改定では、採用競争力を高めるため若手の給与を大きく引き上げる傾向がありました。
2026年も若手の引上げは続きますが、人事院は今回、「中堅層以上の職員には昨年を上回る引上げ」と説明しています。
つまり、「若い先生だけ大きく上がって、40代・50代はほとんど変わらない」という改定ではありません。

教員の教育職給料表が具体的にどう改定されるかは自治体によって違いますが、40代の私としても、ここは少し期待したくなるところです(笑)。
2026年は「教職調整額5%」もスタート
2026年は教員給与にもう一つ大きな変化があります。
それが教職調整額の引上げです。
給特法改正により、教職調整額はこれまでの給料月額4%から段階的に引き上げられることになり2026年1月から5%となりました。最終的には10%まで段階的に引き上げる制度です。
教職調整額の引上げと、今回説明している人事委員会勧告による給料表改定は別の話ではあります。
ただ、教職調整額は給料月額を基礎に計算されるため、給料表そのものが上がれば、教職調整額にも影響します。【担任手当の実情― 2025年と2026年で、教員の給与はどう変わったのか ―】

実は差額支給だけじゃない!給料表改定で退職金も増える
ここは意外と知られていないポイントです。
給料表が引き上げられるメリットは、毎月の給与や差額支給だけではありません。
将来受け取る退職金も増える可能性があります。

地方公務員の退職手当は、自治体ごとの条例によりますが、基本的には退職時の給料月額 × 勤続年数・退職理由に応じた支給率 + 調整額という仕組みで計算されます。
例えば宮城県では、退職手当を「退職時の給料月額×支給率+調整額」としており、教職員については退職時の給料月額に本俸だけでなく教職調整額なども含めています。
つまり、給料表が上がる → 将来の退職時の給料月額も上がる → 退職金の計算基礎も大きくなるということです。

「今年10万円の差額がもらえる」という話だけではなく、給料表そのものが底上げされることには、長期的なメリットがあります。
特に数年以内に退職を考えている先生にとっては、毎年の給与改定は退職金にも関係するため、意外と重要なのです。
ただし、退職手当の具体的な算定方法は自治体によって異なります。正確な金額については所属自治体の退職手当制度を確認してください。
退職金について詳しく知りたい方はこちらの記事からどうぞ
【シリーズ教員の退職金まとめ 退職金は老後の安心材料になりうるのか?】

地域によって差額支給は違う?
これは、大きく変わるわけではありませんが全国一律ではありません。
教員の給料表そのものが自治体によって異なりますし、地域手当や給与改定の内容などにも違いがあります。
そのため、同じ年齢・同じ教員歴だからといって、全国どこでも同じ差額になるわけではありません。
SNSなどで、「差額20万円入った!」という投稿を見ても、自分も20万円入るとは限らないということです。

差額支給はいつもらえる?
これも自治体によって異なります。
年末に給与条例などの改正が行われ、12月ごろにまとめて支給される自治体も多いため、冬のボーナスと一緒に「年末の臨時収入」という感覚を持っている先生も多いと思います。
ただし、全国一律で「12月○日に支給」という制度ではありません。
ある日給与明細を見て、「おお、今年も入ってる!」となるかもしれません(笑)。

差額支給の使い道は?
私自身、これまで差額支給を見込んで冷蔵庫や電子レンジを買い替えたことがあります。
【2025年版・教員におすすめ 冬のボーナス&差額支給で買うべき本当にいいもの】

職場でも、「差額が入ったら○○を買おう」という話になることがあります。
もちろん、金額が確定する前に使ってしまうのはおすすめしません。
実際に入金されてから使い道を考えるくらいがちょうどいいでしょう。
まとめ 2026年も差額支給には期待できそう
2026年の人事院勧告では、国家公務員について平均15,056円・3.51%の給与引上げ、ボーナス+0.05月が示されました。
もちろん、公立学校教員の実際の改定内容は勤務する自治体によって異なります。
それでも2026年は、昨年に続いて大きな給与改定が期待できる年と言えそうです。

さらに今年は、教職調整額が5%になったことに加え、給料表そのものが上がれば、毎月の給与や差額支給だけでなく、将来の退職金にも影響するという点にも注目です。
「今年の差額はいくらかな?」という年末の楽しみだけではなく、自分の給与表がどれくらい変わったのかにも目を向けてみると、公務員給与の仕組みが少し見えてくると思います。
なお、冬のボーナスや差額支給を元手に投資を始めようと思っている先生はぜひ下の記事を参考にしてください。私の投資結果や資産を公開しています。
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※なお、本記事は人事院や文部科学省などの公表資料をもとに作成しています。教員の給与・差額支給・退職手当の具体的な制度は自治体によって異なりますので、正確な金額については勤務先の給与担当や事務職員さん等にご確認ください。
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