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教員給与の現状・将来見通しと他業種との比較【2026年最新版】

教員の資産形成

【40代教員の退職カウントダウン219:退職まで残り2年5か月】

はじめに:教員の給料は本当に高い?低い?

「教員の給料って、実際どれくらいなの?」

「民間企業と比べると高い?低い?」

こうした疑問を持つ先生は少なくないと思います。

転職活動を始めると、転職エージェントから「教員は意外と給与水準が高いので、未経験の業界に転職すると年収が下がる可能性がありますよ」と言われることもあります。

教員は意外と給与水準が高い

実際、教員は勤続年数とともに基本給が上がり、ボーナスや各種手当も含めると、40代・50代では民間の平均給与を上回るケースも多くなります。

さらに2026年は、教職調整額の引上げをはじめ、教員の処遇改善が本格的に始まった年でもあります。

そこで今回は、2026年時点での

  • 教員給与の仕組み
  • 年代別の給与イメージ
  • 今後の処遇改善
  • 民間企業との給与比較

を整理してみます。

私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこちらの記事で【私はなぜ教員を辞めるのか――教員不足で仕事が増え続ける学校】

2025年版の記事はこちら↓

【教員給与の現状・将来見通しと他業種との比較(2025年時点)】

教員給与の現状・将来見通しと他業種との比較(2025年時点)

教員給与の基本構造とは?

公立学校の教員は地方公務員です。

そのため、給与は民間企業のように会社ごとに自由に決められるのではなく、各自治体の給与条例や教育職給料表をもとに決まります。

主な構成は次の通りです。

基本給

教員には「教育職給料表」があり、何級の何号給かによって基本給が決まります。

勤続年数や昇任、人事評価などによって号給が上がり、基本的には長く勤務するほど給与も増えていきます。

多くの自治体では年1回の定期昇給がありますが、実際の号数や金額は自治体や年齢、給料表などによって異なります。

つまり、教員給与は典型的な「年功型の給与体系」と言えます。

教員給与は典型的な「年功型の給与体系」と言えます

各種手当もある

基本給のほかにも、地域手当、住居手当、扶養手当、通勤手当、義務教育等教員特別手当などがあります。

地域手当の割合などは自治体によって異なるため、同じ年齢・同じ勤続年数の先生でも、勤務地によって年収は変わります。

また、管理職になれば管理職手当なども加わります。

管理職になれば管理職手当なども加わります

2026年から教職調整額が5%に

教員給与を語るうえで外せないのが「教職調整額」です。

これまで教員には、原則として一般の会社員のような時間外勤務手当が支給されない代わりに、給料月額の4%が教職調整額として支給されてきました。

【教員が「定額働かせ放題」と言われるのはなぜ?特別措置法(給特法)の歴史・現場の現実・そしてこれから】

時間外勤務手当が支給されない代わりに、給料月額の4%が教職調整額として支給されてきました。

しかし、給特法の改正により、2026年1月から5%に引き上げられました。さらに文部科学省の工程表では、2027年度6%、2028年度7%、2029年度8%、2030年度9%、その後10%へ段階的に引き上げるスケジュールが示されています。 

つまり、2026年は長く続いた「4%」が初めて動いた年です。

これは教員給与にとってかなり大きな変化です。

ただし、「5%になったから残業代問題が解決した」という話ではありません。

長時間勤務とのバランスをどう考えるかは、今後も大きな課題でしょう。

「5%になったから残業代問題が解決した」という話ではありません

教員は成果を出しても給料が一気に上がるわけではない

教員給与の特徴は、良くも悪くも安定していることです。

民間企業のように、「大きな成果を上げたから年収が100万円上がる」といったことは基本的にはありません。

逆に言えば、「今年は業績が悪かったから給料が大幅に下がる」ということも通常はありません。

私の友人の一人は、若いうちに教員から自動車業界へ転職しました。

転職を決めた理由の一つが、「自分の方が働いているし、結果も出しているのに、年配の先生の方がずっと給料が高いのが嫌だった」というものでした。

年功型の給与制度を「安定していて安心」と感じる人もいれば、「頑張っても給与に反映されにくい」と感じる人もいるでしょう。

【HOW TO 教員の転職 ~自動車業界に転職した友人から学んだこと~】

【HOW TO 教員の転職 ~自動車業界に転職した友人から学んだこと~】

年齢別に見る教員の給与イメージ

では、実際にどれくらいの給与になるのでしょうか。

教員給与は自治体、地域手当、扶養手当、役職などでかなり違うため、全国一律の年収モデルはありません。そのため、以下はあくまで一般的なイメージとして見てください。

20代半ば

若手の頃は、「仕事量の割に給料が安い」と感じる人も少なくないと思います。

基本給:20万円台半ば前後
年収:350万~450万円程度

若手の頃は、「仕事量の割に給料が安い」と感じる人も少なくないと思います。

一方で近年は初任給を大きく引き上げる自治体も増えています。


30歳前後

定期昇給に加え、ボーナスや各種手当もあるため、徐々に収入が安定してきます

基本給:20万円台後半~30万円程度
年収:450万~550万円程度

定期昇給に加え、ボーナスや各種手当もあるため、徐々に収入が安定してきます。


40歳前後

民間の平均年収と比較しても教員給与の高さが目立ち始めます。

基本給:30万円台後半~40万円台
年収:600万~750万円程度

40代になると、民間の平均年収と比較しても教員給与の高さが目立ち始めます。主任級の職務や地域手当などによっては、さらに高くなることもあります。


50代

管理職にならなくても、長く勤務していればかなり高い給与水準に達するケースがあります

基本給:40万円台
年収:700万~900万円程度

管理職にならなくても、長く勤務していればかなり高い給与水準に達するケースがあります。

これが、「教員は40代・50代になると転職しにくい」と言われる理由の一つです。

未経験業界へ転職すると、同じ年収を維持できる仕事はかなり限られるからです。

なお、ここでいう「年収」は税金や社会保険料を引く前の額です。実際に手元に残るお金はもっと少なくなります。

【結局いくら払ってるの?40代教員が実例で解説する税金と社会保険料の総額】


2026年以降、教員給与はどう変わる?

教員不足や長時間勤務が問題となる中、国は教員の処遇改善を進めています。

教職調整額は段階的に10%へ

先ほど紹介した通り、2026年1月から教職調整額は5%になりました。

文科省の工程表では、その後も段階的な引上げが予定されています。 

教員給与全体に与える影響はかなり大きいでしょう。

例えば、給料月額40万円の場合、

4%なら16,000円
5%なら20,000円
10%なら40,000円

です。最終的に10%になれば、現在より毎月の給与がかなり増えることになります。

最終的に10%になれば、現在より毎月の給与がかなり増えることになります

学級担任や新たな職への処遇改善も

今回の給特法改正では、すべての教員を一律に処遇改善するだけではありません。

文部科学省は、学級担任への義務教育等教員特別手当の加算や、「主務教諭」という新しい職を設け、新たな級で処遇する制度も進めています。 

これまでの「年齢と勤続年数でほぼ決まる」という給与体系から、職務や責任に応じて少し差をつける方向へ動き始めているとも言えます。

職務や責任に応じて少し差をつける方向へ動き始めている

ただし、具体的な手当額などは自治体の条例によって異なります。


民間企業と比べると教員の給与は高い?

では、教員給与は日本全体と比較するとどうなのでしょうか。

国税庁の「2025年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。

正社員・正職員に限ると、平均給与は559万円です。 

教員の場合、30代後半~40代になると、この水準を超える人もかなり多くなります。

つまり、教員給与は決して「日本全体で見て低い給与」ではありません。

特に40代以降は、民間平均と比較しても比較的高い水準に位置するケースが多いでしょう。

特に40代以降は、民間平均と比較しても比較的高い水準に位置するケースが多い

教員から転職すると年収が下がりやすい理由

私自身、教員からの転職について調べた際、よく聞いたのが、「教員は思っている以上に給与水準が高い」という話でした。

特に40代以降で教員から未経験業界へ転職すると、

年収700万円
↓
転職後500万円

といったことは十分あり得ます。

教員として20年働いて得た経験が、新しい業界ではそのまま「20年の経験」として評価されるわけではないからです。

だからこそ、「今の仕事が嫌だから辞める」だけではなく、収入が下がっても自分は納得できるのかまで考えておく必要があります。

だからこそ転職活動は勢いではなく、転職エージェントに相談するところから始めるのがいいでしょう。転職にはリスクがありますが、転職活動はノーリスクです!

【HOW TO 教員の転職 ~転職エージェントに聞いたリアル事情と成功のヒント~】

転職活動は勢いではなく、転職エージェントに相談するところから始めるのがいい

教員給与の強みは「安定性」

ここまで見てくると、教員給与の最大の強みはやはり安定性だと思います。

20代では決して突出して高くありません。しかし、定期昇給やボーナス、各種手当や退職金などを含めて考えると、長期間勤務することで非常に安定した収入を得られる職業です。

さらに2026年以降は、教職調整額の引上げなどの処遇改善も始まりました。

一方で、この安定性は「辞めにくさ」にもつながります。

40代、50代になればなるほど、転職によって失う収入も大きくなるからです。


給料が上がれば、それで教員は働きやすくなるのか?

教職調整額が4%から5%になり、将来的に10%になれば、当然ありがたいことです。

給与表そのものも近年は引き上げられています。

しかし、「給料が上がれば、今の働き方の問題がすべて解決する」わけではありません。

学校現場には給与だけでは解決できない問題があります。

「給料が上がれば、今の働き方の問題がすべて解決する」

給与改善と同時に、仕事そのものを減らすことも必要だと思います。

処遇改善と働き方改革。

この両方が進んで初めて、「教員になりたい」「教員を続けたい」と思える人が増えるのではないでしょうか。教員の働き方についてはこちらの記事で考察しました。

【現場の努力では解決できない教員の働き方の「構造問題」】

この記事では、学校の働き方改革が進みにくい理由を、構造問題として整理しました

まとめ:2026年、教員給与は「改善局面」に入っている

2026年現在の教員給与を整理すると、

若手の初任給・給与水準の改善が続いている

教職調整額が4%から5%へ引き上げられた

2030年度以降に10%まで引き上げる制度が動き始めた

学級担任や新たな職務に応じた処遇改善も進んでいる

2026年の人事院勧告でも3%台の大幅な給与引上げが示された

という状況です。 

2026年現在の教員給与を整理

教員給与は、20代で大きく稼ぐ仕事ではありません。

しかし長く勤務すれば、民間の正社員平均を上回る給与水準に達するケースも多く、退職金や年金まで含めれば、安定性の高い仕事であることは間違いありません。

一方、それだけに転職時には年収が下がる可能性もあります。

私自身も、正規教員を辞めることを考える中で、「今の給料を手放してまで、何を得たいのか」を何度も考えました。

お金なのか。

やりがいなのか。

家族との時間なのか。

健康なのか。

人生の中で何を優先するかによって、教員を続けることが正解になる人もいれば、辞めることが正解になる人もいると思います。

だからこそ、まずは自分が現在どれくらいの待遇を受けていて、それが今後どう変わるのかを知ること。

そのうえで、「自分は何のために働くのか」を一度考えてみてもよいのではないでしょうか。

なお、私自身はこのブログで転職「活動」はお勧めしています。私自身もいくつかの転職サイトに無料登録しています。転職活動で自分の市場価値や人生の選択肢を知ることはとても重要だと思うからです。何より転職にはリスクがありますが、転職活動自体はノーリスクです。

合わせて読みたい:HOW TO 教員の転職シリーズ

【HOW TO 教員の転職シリーズ|8つの実例とキャリア戦略で“これからの働き方”が見えてくる】

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