【40代教員の退職カウントダウン228:退職まで残り2年4か月】
はじめに ― 「言われた通りに書いているだけ」
「この書類、期限までに出してくださいね」
毎年秋になるとやってくる年末調整。
言われるままに書類を書き、保険会社から届いた証明書を添えて提出する。
そんな先生も多いのではないでしょうか。
でも、「なぜ年末調整をするのか」「なぜお金が戻ってくるのか」「確定申告とは何が違うのか」まで理解している人は、意外と少ないかもしれません。
しかも2026年分は、基礎控除や給与所得控除、扶養に関する基準などにも変更があります。

この記事では、教員の立場から年末調整の意味と、2026年に知っておきたいポイントを整理します。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこちらの記事で【私はなぜ教員を辞めるのか――教員不足で仕事が増え続ける学校】
そもそも年末調整とは?
年末調整とは、毎月の給与から天引きされてきた所得税と、本来1年間で払うべき所得税との差を精算する仕組みです。

教員の給与から毎月引かれている所得税は、その時点での「仮の金額」です。
そこで年末に、1年間の給与や扶養家族、生命保険料やiDeCoなどの控除を確認し、最終的な税額を計算します。
払いすぎていれば戻り、足りなければ追加で徴収されます。
つまり、年末調整でお金が戻ってきても、「臨時収入がもらえた」のではなく、「払いすぎていた税金が戻ってきた」だけということです。
大切なのは、正しく年末調整をしないと払いすぎていた税金が戻って来ないということです。下手をするとその額は何万円にもなります。
この記事は2026年の変更点を中心に整理しています。基本的なな年末調整の仕組みはこちらの記事からどうぞ↓
【教員が知るべき年末調整の意味と税金の考え方】

2026年の年末調整は何が変わった?
2026年の年末調整では、前年までと比べていくつか大きな変更があります。
税金の話は数字が多くて難しく感じますが、教員として押さえておきたいのは、ざっくり言うと、「税金がかかり始めるラインや、扶養の基準が少し変わった」ということです。実は税金というのは収入全てにかかるのではなく、一定のラインまではかからないのです。

特に関係がありそうなのは、次の4点です。
① 基礎控除が引き上げられた
基礎控除とは、所得税を計算するときに、ほとんどの人が所得から差し引くことのできる金額です。
簡単に言えば、「この金額までは税金を計算する対象から外しますよ」という仕組みです。
2026年は、この基礎控除が以前より引き上げられています。

つまり、条件によっては、以前よりも課税される所得が少なくなり、所得税が軽くなる可能性があります。
ただし、基礎控除の金額は所得によって違います。
特に教員は同世代の平均年収よりも高い収入があるため、「全員が一律で○万円得をする」という単純な制度ではありません。年末調整でその辺りを確認すると良いと思います。
② 給与所得控除の最低額も引き上げられた
教員のように給与をもらって働く人には、「給与所得控除」という仕組みがあります。
給与を得るために、我々教員も仕事着や文房具、書籍など、さまざまな費用がかかります。
給与所得控除は、そうした必要経費のようなものを、実際の支出額に関係なく一定額差し引いてくれる仕組みです。
2026年は、この給与所得控除の最低保障額も引き上げられています。
ある程度以上の給与を得ている正規教員の場合は、「最低保障額」の変更がそのまま大きな影響につながるとは限りません。
それでも、「給与収入そのものに税金がかかっているわけではない」という仕組みは知っておきたいところです。

③ 扶養に入れるための収入基準が変わった
子どもや配偶者がいる教員には、この変更は特に重要です。
以前は、「扶養といえば103万円」というイメージがかなり強かったと思います。
しかし現在は税制改正によって、その基準が変わっています。
例えば、扶養親族については、給与収入だけなら年収136万円程度までが一つの目安になります。
つまり、「子どもがアルバイトで103万円を超えたから、すぐに扶養から外れる」とは限らなくなっています。
大学生の子どもがアルバイトをしている家庭では、特に注意したいところです。

④ 子育て世帯では生命保険料控除にも変更がある
そもそも生命保険料控除とは、「生命保険のような生活の安心のために必要な保険の保険料を払っている場合、税金の一部を差し引いてあげましょう」という制度です。

2026年は、23歳未満の扶養親族がいる人について、一定の条件を満たす生命保険については、控除できる金額がこれまでより大きくなる場合があります。
子育て中の教員家庭では、生命保険に加入しているケースも多いと思います。
そのため今年は、「去年と同じ数字を書けばいい」と考えず、保険会社から送られてくる控除証明書や、年末調整の説明を一度確認しておいた方がよさそうです。
2026年は「去年と同じ」で済ませない
今回の変更を見て感じるのは、
年末調整は、毎年同じ書類を書く単なるルーティンではないということです。
特に、大学生の子どもがアルバイトをしている場合や配偶者がパートなどで働いている場合、23歳未満の扶養親族がいる、生命保険やiDeCoを利用しているという人は、今年の変更が関係する可能性があります。

年末調整の時期に事務職員さんから説明があったら、「去年と同じだから大丈夫」と流してしまわず、一度自分の家庭に関係する変更がないか確認してみる。
それだけでも、年末調整を見る目はずいぶん変わるのではないでしょうか。
そもそも、なぜ税金が戻ってくるの?
年末調整では、さまざまな「控除」を反映します。
控除とは、簡単にいえば、税金を計算するときに、生活に必要なお金を払っているならば、その額に応じて一定額を差し引いて税負担を軽くする仕組みです。

その結果、それまでに納めていた所得税が多すぎれば、その分が戻ってきます。
私自身もiDeCoを利用していますが、iDeCoの掛金は所得控除の対象になります。
老後資金を準備しながら税負担を軽くできる点は、知っておきたいところです。興味のある方は、iDeCoについて整理したこちらの記事を読んでみて下さい。
【教員の老後資金対策にiDeCoは向いている?メリットとデメリットを徹底解説】

教員は税金に無関心になりやすい?
教員は、大学卒業後そのまま採用される人も多く、自分で確定申告を経験する機会が少ない職業です。
毎月の給与から税金や社会保険料が自動的に引かれ、年末になると事務職員さんから書類を渡され、言われた通りに書いて提出する。
これを毎年繰り返していれば、「税金はよく分からないけれど、誰かがやってくれるもの」となってしまうのも無理はありません。

でも、自分の給与明細や源泉徴収票を少しずつ理解していくと、「なぜ手取りがこの金額なのか」「自分は何にいくら払っているのか」が見えてきます。
税金を知ることは、自分の家計を知ることでもあります。
事務職員さんのありがたみ
年末調整の時期には、学校の事務職員さんも多くの書類を確認しています。
年末調整は本来、個々人で行う責任がありますが、その大部分を事務職員さんが手助けしてくれているのです。
実際、私の妻が教員を辞めて個人事業主になり、自分で確定申告をしなければならなくなった時に初めて事務職員さんのありがたみがわかったと言っていました。
実際の給与処理や税額計算の分担は自治体によって違いますが、事務職員さんが私たちを支えてくれていることに変わりはありません。
私たちが「書いて提出するだけ」で済んでいる裏側には、事務職員さんの仕事があります。
書類を出すときに、「いつもありがとうございます」と一言添えてもよいのではないでしょうか。

おわりに ― 年末調整を「自分ごと」にする
年末調整は、ただの面倒な書類作業ではありません。
自分の給与や税金について考える、年に一度の機会です。
特に2026年は制度変更があります。
だからこそ、「去年と同じでいいだろう」ではなく、一度意味を確認してみる。
それだけでも十分だと思います。

「言われるままに書く年末調整」から、「意味を分かって書く年末調整」へ。
税金を少し知ることが、自分の暮らしや資産形成を考える第一歩になるのではないでしょうか。
合わせて読みたい:2026年の教員のお金事情
【2026年の教員お金事情まとめ|給料・ボーナス・手当・退職金・社会保障を解説】



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