教員採用試験は今どうなっている?倍率低下・早期化・特別選考を解説【2026年版】

教員の転・退職

【40代教務主任の退職カウントダウン200:退職まで残り2年7ヶ月】

はじめに

「最近は教員採用試験の倍率が下がっている」

「大学3年生でも受験できるらしい」

「社会人や講師経験者は、筆記試験が免除されることがある」

教員採用試験をめぐって、このような話を聞くことが増えました。

実際、現在の教員採用試験は、以前とはかなり変わっています。

私は2026年の夏休み、教務主任として教員採用試験の面接官をすることになりました。
現役教務主任が見た 教員採用試験のリアル①面接官を経験して分かった「本当に見ているポイント」

教務主任として教員採用試験の面接官をすることになりました

そこで、受験生に失礼があってはいけないと、現在の教員採用試験について改めて調べなおしました。

採用倍率は低下し、試験時期は早まり、大学生だけでなく、講師経験者や社会人、他県で働く現職教員などにも受験の間口が広がっています。

一方で、教員採用試験は全国共通の試験ではありません。

都道府県や政令指定都市によって、日程も試験内容も大きく違います。

この記事では、2026年現在の教員採用試験がどのようになっているのか、初めて受験を考える人にも分かるように紹介します。

私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯

※現在行われているのは、原則として2027年4月採用に向けた選考です。正確な日程や受験資格は、必ず志望自治体の最新の受験案内で確認してください。

教員採用試験は全国共通ではない

教員採用試験は、国が全国一斉に行う国家試験ではありません。

都道府県や政令指定都市などの教育委員会が、それぞれ実施する採用選考です。

例えば、愛知県と名古屋市、北海道と札幌市、大阪府と大阪市は、それぞれ別の採用試験を行っています。

そのため、教員を目指す人は、まず「どの自治体で、どの校種・教科を受験するのか」を考える必要があります。

同じ小学校教員の試験でも、自治体によって日程、筆記試験、面接、模擬授業、実技試験などの内容が違います。

全国の採用倍率は2.9倍まで低下

文部科学省が公表している2025年の全国確定値では、教員採用試験の全国平均倍率は2.9倍でした。

全校種を合わせた倍率が3倍を下回るのは初めてです。

学校種別では、小学校が2.0倍、中学校が3.6倍、高校が3.8倍となっています。

特に小学校では、以前より正規採用されやすい状況になっています。

背景には、退職する教員が多いことに加えて、教員採用試験を受ける人が減っていることがあります。

教員採用試験の全国平均倍率は2.9倍でした。

ただし、「倍率が低いから、ほとんど準備しなくても合格できる」というわけではありません。

全国平均が2.9倍でも、自治体、校種、教科によって倍率は大きく異なります。

採用人数が少ない高校の教科や、養護教諭、栄養教諭などは、高い倍率になることもあります。

また、受験者が採用予定人数を下回っていても、教員として必要な基準に達していなければ不合格になる可能性があります。

昔ほどの狭き門ではなくなりましたが、誰でも自動的に合格できる試験ではありません。

昔ほどの狭き門ではなくなりましたが、誰でも自動的に合格できる試験ではありません

試験の日程は早くなっている

教員採用試験で特に注意したいのが、日程の早期化です。

以前は7月に第1次試験を行う自治体が多くありましたが、現在は5月や6月に実施する自治体が増えています。

2026年実施の試験でも、愛知県や大阪府は6月に第1次試験を行い、東京都は7月に実施しています。

同じ年の採用試験でも、自治体によって日程は異なります。

出願も3月から5月ごろに締め切られることが多いため、

「夏になってから調べよう」

「大学4年生になってから準備しよう」

と考えていると、出願そのものに間に合わない可能性があります。

教員を目指そうと思ったら、まず志望自治体の前年の日程を確認しておくことが大切です。

教員を目指そうと思ったら、まず志望自治体の前年の日程を確認しておくことが大切

大学3年生から受験できる制度も広がっている

近年は、大学3年生などを対象とした前倒し選考を行う自治体が増えています

大学3年生のうちに教職教養や専門教養などを受験し、一定の成績を取ると、大学4年生で受ける第1次試験の全部または一部が免除される仕組みです。

ただし、多くの試験は、大学3年生の試験に合格しただけで正規教員として採用されるわけではありません

翌年に改めて出願し、面接などを受ける必要がある場合が一般的です。

制度の内容は自治体によって違うため、大学2年生や3年生の段階から確認しておくとよいでしょう。

制度の内容は自治体によって違うため、大学2年生や3年生の段階から確認しておくとよいでしょう。

講師経験者や社会人向けの選考もある

現在の教員採用試験は、新卒の大学生だけを対象にしたものではありません。

自治体によっては、次のような人を対象とした特別選考があります。

  • 常勤講師や非常勤講師として働いている人
  • 民間企業や官公庁で勤務経験がある人
  • 他の自治体で正規教員として働いている人
  • 教職大学院を修了した人
  • 英語資格や専門的な資格を持っている人

特別選考では、教職教養や第1次試験の一部が免除されることがあります。

教職教養や第1次試験の一部が免除されることがあります

※ただし、必要な勤務年数や勤務日数、職歴の内容などは自治体ごとに異なります。「講師経験があるから免除されるはず」と思い込まず、正式な受験資格を確認することが大切です。

教員採用試験の大まかな流れ

教員採用試験は、一般的に次のように進みます。

まず、教育委員会から受験案内が発表され、インターネットなどで出願します。

その後、第1次試験では、教職教養や専門教養などの筆記試験が行われます。

第2次試験では、個人面接、模擬授業、場面指導、論作文、実技試験などが行われます。

ちなみに私は現役教務主任として2次試験の面接官と模擬授業の監察官をやりました。

すべての自治体が同じ内容ではありません。

一般教養を行わない自治体もあれば、模擬授業や実技試験を廃止する自治体もあります。

最終合格すると、採用候補者名簿に名前が載り、教員免許状や卒業などの条件を確認したうえで、翌年4月に採用されるのが一般的です。

第2次試験では、個人面接、模擬授業、場面指導、論作文、実技試験などが行われます

面接では何を見られるのか

先ほども言いましたが私自身、2026年に教員採用試験の面接官と模擬授業の監察官を経験しました。

面接官が見ているのは、教育用語をたくさん知っているかどうかだけではありません。

大きく言えば、「この人に子どもを任せられそうか」「この人と一緒に働けそうか」という視点で受験者を見ています。

学校では、一人で仕事を完結させることはできません。

子どもの問題に対して、学年の教員、管理職、養護教諭、保護者、関係機関などと協力する必要があります。

そのため、面接では、

  • 子どもの立場を考えられるか
  • 安全を優先できるか
  • 一人で抱え込まず相談できるか
  • 周囲と協力できるか
  • 自分の考えを具体的に話せるか

といった点が見られます。

「子どもが好きです」

「ICTを活用したいです」

「一人一人を大切にします」

こうした言葉が悪いわけではありません。

ただ、どのような場面で、どのような子どもに、何のために何をするのかまで話せると、受験者の考えが伝わりやすくなります。詳しくはこちらの記事でまとめました。

現役教務主任が見た 教員採用試験のリアル① 面接官を経験して分かった「本当に見ているポイント」

どのような場面で、どのような子どもに、何のために何をするのかまで話せると、受験者の考えが伝わりやすくなります

まず確認したい四つのこと

教員採用試験を受けようと思ったら、最初に次の四つを確認しましょう。

1.受験する自治体

都道府県と政令指定都市が別の試験になっていることがあります。

2.試験の日程

出願締切や第1次試験が想像より早い場合があります。

3.自分が利用できる選考区分

大学3年生選考、講師経験者選考、社会人選考などを利用できる可能性があります。

4.必要な教員免許状

受験時は取得見込みでもよい場合が多いですが、採用までに必要な免許を取得しなければなりません。

最初から参考書を大量に買うより、まず志望自治体の受験案内を読むことが重要です。

教員免許の種類と階層をわかりやすく【現職教務主任が解説】

まず志望自治体の受験案内を読むことが重要

まとめ|受験しやすくなった一方、早めの情報収集が必要

2026年現在の教員採用試験では、全国平均倍率が2.9倍まで低下しています。

試験日程の早期化、大学3年生選考、講師経験者や社会人向けの特別選考も広がり、教員を目指す人にとって受験の機会は増えています。

一方で、自治体によって日程や試験内容が大きく違うため、情報収集が遅れると出願や選考の機会を逃すことがあります。

倍率が下がったからといって、教員としての適性が見られなくなったわけでもありません。

筆記試験の知識に加えて、子どもを大切にできるか、周囲と協力できるか、自分の考えを具体的に伝えられるかが問われます。

教員採用試験を受けようと思ったら、まずは働きたい自治体の教育委員会のウェブサイトを開き、最新の受験案内を確認してみてください。

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