はじめに
私は40代の小学校教員。2028年度末に正規教員を退職する予定です。
退職後の働き方として私が考えているのが、「常勤講師として全国を旅する」という生活です。
1年ごとに勤務地を変えながら、その土地で教員として働く。
平日は学校で働き、休日は妻と二人でその土地の観光やグルメを楽しむ。
東京、広島、福岡、沖縄……。
そんな暮らしができたら面白いなあと考えています。以前の記事でもこの「全国漫遊計画」を紹介しました。
【40代教員の退職後プラン|常勤講師で全国を旅する「漫遊計画」】

ただ、この計画を現実的に考えるためには、常勤講師になったら、いったいいくら給料をもらえるのか?を知っておかなければなりません。
常勤講師の働き方について、2025年にも調べ、記事にしました。
【常勤講師の給与比較から見える現実(2025年版)】
ただ、2026年は給特法の改正や給与表改定による差額支給など、給料面で大きな動きがありました。

そこで今回は、改めて2026年時点の各自治体の公式資料を確認し、東京・愛知・広島・福岡・沖縄の常勤講師の実態について調べ直してみました。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこちらの記事で【私はなぜ教員を辞めるのか――教員不足で仕事が増え続ける学校】
そもそも「常勤講師」とは?
学校で「講師」と呼ばれる働き方には、大きく分けると常勤講師(臨時的任用教員)と非常勤講師があります。
今回取り上げるのは常勤講師です。
常勤講師は、正規教員の産休・育休や休職、欠員などを補うために任用される教員で、基本的には正規教員と同じようにフルタイムで働きます。
例えば東京都も、臨時的任用教員について、授業だけでなく学級担任や校務分掌なども担当すると説明しています。
つまり、仕事内容はかなり正規教員に近いと考えてよいでしょう。

常勤講師の給料はどう決まる?
常勤講師の給与は、学歴 +これまでの職歴 +教員としての経験 +自治体ごとの給料表などをもとに決定されます。

例えば福岡県は、常勤講師について「号給は経験年数等に応じて決定」と明記しています。沖縄県も、公立学校での職歴だけでなく民間を含めた職歴の提出を求め、それを給与算定の根拠資料としています。
つまり、「教員歴20年以上だから全国どこでも○号給」とはならず自治体ごとに差があるのが現状です。
ただ、これは常勤講師に限らず、正規採用教員や非常勤講師にも言えることです。
常勤講師でも手当やボーナスはもらえる
「講師になると月給しかもらえないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
実際には、かなり正規教員に近い待遇です。

例えば福岡県では、2026年4月現在の常勤講師について、
- 給料月額
- 教職調整額
- 通勤手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 地域手当
- 義務教育等教員特別手当
- 期末・勤勉手当
- 退職手当(一定条件)
などを、正規職員に準じて支給するとしています。
つまり、「非正規だからボーナスも退職金もない」というイメージとはかなり違います。
これは、正規教員を辞めた後に常勤講師を考えている私にとって、かなり重要なポイントです。
2026年は教職調整額も5%に
もう一つ、2025年版から大きく変わったところがあります。
2026年1月から、教職調整額が給料月額の4% → 5%へ引き上げられました。
これは原則として常勤講師にも関係します。
例えば東京都教育委員会も、2026年4月1日時点の教職調整額は5%と明記しています。

今後さらに段階的な引上げが予定されているため、私が実際に常勤講師になる2029年度には、現在とはまた給与水準が変わっている可能性があります。
2026年版 5地域の常勤講師を比較
今回調べたのは、私が勤務先の候補として考えている次の5地域です。
| 地域 | 2026年時点の特徴 | 地域手当など | 私が感じる魅力 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 5地域の中でも給与水準が高め。長い教員経験も給与算定に反映される | 地域手当20%(区部・多摩地域等) | 収入重視なら最有力。ただし家賃・物価は高め |
| 愛知 | 給与水準と生活コストのバランスを取りやすい | 2026年人事委員会勧告では地域手当9.3%への引上げを勧告 | 給与・住宅費・生活のしやすさのバランス型 |
| 広島 | 東京ほど高くないが、生活費とのバランスが魅力 | 地域手当は勤務地により異なる。住居手当は条件により最大28,000円 | 中国・四国・九州への週末旅行もしやすい |
| 福岡 | 常勤講師の具体的な給与モデルを県が公開しており、待遇をイメージしやすい | 30歳・一定条件の公式モデルで月額363,168円。住居手当等を含む | 都市生活・グルメ・九州旅行を楽しみやすい |
| 沖縄 | 職歴を給与算定に活用。実際の給与は個別の前歴換算による | 勤務地・職歴等によって決定。応募時に確認が必要 | 給与以上に「沖縄で1年間暮らす」という体験価値が大きい |
※2026年10月時点の各自治体の公表資料をもとに作成。常勤講師の実際の給与は、学歴・職歴・教員経験・勤務地・各種手当などによって異なります。

ここから、それぞれ詳しく見ていきます。
東京 やはり給与面では強い
まず東京です。
東京の最大の特徴は何といっても、地域手当20%です。
東京都教育委員会によると、区部・多摩地域等では、給料月額+教職調整額など × 20%の地域手当が支給されます。
例えば仮に、給料月額35万円+教職調整額5%とすると、地域手当の対象となる金額だけでもかなり大きくなります。つまり同じ基本給でも、地方より東京の総支給額が高くなりやすいのです。
東京が5地域の中で給与面ではかなり有利という構図が見えてきます。
ただし、東京は家賃や物価も高いので、「給料が高い=生活が一番楽」とは限りません。

それでも、全国漫遊の1年目として東京で働きながら東京生活を楽しむ、というのはかなり魅力的です。
愛知 給与と生活費のバランスが取りやすい
愛知県では、2026年度当初の地域手当は8.5%でした。
住居手当は条件を満たせば最大28,000円です。
さらに2026年10月の人事委員会勧告では、給料月額の引上げに加えて、地域手当を8.5%から9.3%へ引き上げることが勧告されています。
つまり愛知は東京ほど地域手当は大きくありませんが、住宅費などを含めた生活コストとのバランスを考えると、かなり暮らしやすい地域だと言えます。

広島 生活費とのバランスが魅力
広島県も2026年10月6日に新しい給与勧告を公表しています。
教育職給料表についても2026年4月に遡る改定が勧告されました。
広島の特徴は地域手当です。
制度上、広島市:8% それ以外の県内:4%という設定があります。
また、家賃が一定額を超える職員には住居手当最大28,000円が支給されます。
東京ほど給与は高くありませんが、家賃や食費、交通費などまで含めて考えると、愛知同様「給与と生活費のバランスがよい地域」という印象です。
広島を拠点にすれば、中国地方だけでなく四国や九州にも比較的行きやすい。
「週末旅行を楽しむ常勤講師」という私の計画との相性はかなりよさそうです。

福岡 常勤講師の待遇がとても分かりやすい
今回調べ直して、最も参考になったのが福岡県です。
福岡県教育委員会は、常勤講師の具体的なモデル給与を公式サイトで公開しています。
例えば、
30歳
大学卒
民間経験約8年
子1人
家賃61,000円
小・中学校勤務
というモデルでは、月額合計363,168円とされています。

内訳には基本給のほか、地域手当や義務教育等教員特別手当、扶養手当13,000円、住居手当28,000円などが含まれています。
さらに、
6月の期末・勤勉手当:約22.4万円
12月:約74.9万円
1年間勤務後の退職手当:約25万円
というモデルまで示されています。
30歳・経験8年程度ですでにこの水準なので、20年以上の教員経験がどこまで前歴換算されるのかは、私自身が応募するときにぜひ確認したいところです。
少なくとも、「常勤講師になったら生活の質が落ちるほど給与が下がる」という心配はかなり小さそうです。
沖縄 給与より「そこで暮らす価値」
そして沖縄です。
2026年度も沖縄県は小中学校の臨時的任用教員を募集しています。
給与算定にあたっては「公立学校職歴内容報告書」の提出が必要で、公立学校だけでなく民間を含む職歴をすべて記載することになっています。
つまり、長い教員経験も給与決定の際に確認されます。
※2025年版の記事では、沖縄の常勤講師は2級なので給与が高めと書いていました。
しかし今回の記事を作成するために、2026年の公式資料を改めて確認したところ、「常勤講師なら一律2級」と断定できる資料は確認できませんでした。そのため、前の記事でもこの記述は削除します。
これはブログを毎年更新する意味でもありますね。調べ直したことで、以前の記事の記述を修正できました。
沖縄の場合、私にとって最大の魅力は給与額そのものではありません。
沖縄で1年間暮らせること。
平日は学校で働き、休日には海へ行き、離島へ旅行し、沖縄の文化や食を楽しむ。
そんな1年を経験できるなら、多少収入が下がっても十分魅力があります。

なお、沖縄県は臨時的任用教員について、採用時点で県内に現住所があることを原則としているため、県外から移る場合は応募時期や住居の扱いを事前に確認する必要があります。
結局、どこが一番いい?
2026年版として調べ直した私なりの印象は、
収入重視なら東京
収入と生活費のバランスなら愛知・広島・福岡
人生経験・暮らしそのものを楽しむなら沖縄
です。
ただ、これは何を重視するかで変わります。
私の場合は、「一番給料が高い場所を探しているわけではない」というところがポイントです。
正規教員としてできるだけ高い給与を得ることが目的なら、今の仕事を続ける方が合理的でしょう。それでも退職しようとしているのは、これからの人生では、お金以外のものにもう少し価値を置きたいと思うようになったからです。
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常勤講師でも、思ったより収入はある
今回2026年版として調べ直して感じたのは、常勤講師は、思っていた以上に「普通に生活できる仕事」だということです。
もちろん正規教員時代より給料が下がる可能性は高いでしょう。
ただ、ボーナスや退職金に加え、今までの教員経験が給与算定に考慮される自治体もあります。
ですから、「正規教員を辞めたら、収入が一気に半分になる」というイメージは当てはまりません。
正規教員として働いている今は、生活費や子どもの教育費、住宅ローン、老後資金など、将来のお金も考えながら働いています。
しかし、投資等を活用し、それらに一定の目処が立てば、常勤講師として得る給与は、「今を生きるためのお金」として使いやすくなります。
「貯めるために働く」のではなく、「人生を楽しみながら生活するために働く」というスタイルです。
これが、私が考えている常勤講師生活です。

2026年版まとめ 全国漫遊計画は十分現実的
2026年の制度を改めて調べてみると、常勤講師にも、基本給+教職調整額+各種手当+ボーナスという、正規教員に近い給与制度があります。福岡県のように一定条件で退職手当まで支給する自治体もあります。
そして給与額は、年齢だけではなく、学歴やこれまでの職歴、教員経験、勤務地などによって決まります。
こうして見ると、正規教員を辞めても、常勤講師として働きながら生活することは十分可能だと思います。
そして私の場合、
1年東京
↓
1年広島
↓
地元に戻って1年非常勤
↓
1年愛知
↓
1年沖縄……
というように、教員として働きながら、妻と二人で日本各地で暮らしてみる。
そんな人生も面白いのではないかと思っています。
退職まで、あと少し。
「辞めた後どうするのか」を考える時間が、最近ますます楽しくなってきました。

※本記事は2026年10月時点で各自治体が公表している資料をもとに作成しています。常勤講師(臨時的任用教員)の給与は、学歴・職歴・教員経験・任用形態・勤務地等によって異なります。また、2026年の人事委員会勧告が今後条例改正に反映される地域もあります。実際に応募される際は、各教育委員会に給与・号給等をご確認ください。


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