【40代教員の退職カウントダウン192:退職まで残り2年8か月】
だから先生たちにも伝えたい資産運用
第1部では、インフレ、円安、金利上昇によって、教員の「安定」がこれまでほど豊かさにつながりにくくなる可能性について書きました。

第2部では、民間企業の賃上げ、人材不足、業務負担の増加、処遇改善の限界から、教員という仕事の魅力が相対的に下がっていく可能性について考えました。

では、教員個人はどうすればよいのでしょうか。
国や自治体に処遇改善を求めることは大切です。
学校の業務を減らすことも必要です。
教育委員会や地域社会に、学校の限界を理解してもらうことも重要です。
しかし、それらはすぐに変わるとは限りません。
制度が変わるには時間がかかります。
現場の働き方が変わるにも時間がかかります。
だからこそ、教員自身も、自分の生活を守るための力を持つ必要があります。
その一つが、このブログのメインテーマでもある資産形成と転職活動です。
私は、先生たちにも資産運用や転職活動にチャレンジしてほしいと思っています。
ただし、それは「投資や転職で一発逆転しよう」という意味ではありません。
「株で儲けよう」「早くFIREしよう」と煽りたいわけでもありません。
むしろ逆です。
教員だからこそ、堅実に、長期的に、自分と家族の生活を守るために、経済の知識を持つ必要がある。
インフレ時代には、給料や身分だけに頼るのではなく、自分の人生を主体的に設計していく発想が必要になる。そう考えています。

この記事では、第1部と第2部の内容を踏まえて、改めて教員が自分の人生を主体的に形成することの重要性を考えたいと思います。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】
教員は安定している。しかし、収入を大きく伸ばしにくい
教員の大きな強みは、やはり安定ですし、この安定性は、今後も大きな価値を持ちます。
しかし、同時に弱点もあります。
教員は、民間企業のように成果によって給料が大きく跳ねる仕事ではありません。
営業成績がよいから年収が大幅に上がるわけでもありません。
副業にも制約があります。
つまり教員は、収入が安定している一方で、収入を大きく伸ばしにくい仕事でもあります。

デフレ時代なら、それでも十分に強かったと思います。しかし、インフレ時代には状況が変わります。
物価は上がる。
民間賃金も上がる。
住宅ローン金利も上がる可能性がある。
教育費や老後資金の不安も大きくなる。
その一方で、教員の給与は制度的に大きく伸びにくい。
この教員の特性から考えた時、教員が資産形成を学んだり、転職活動で自分の価値を知ることを実践する意味はかなり大きいと思います。
「資産形成」- インフレ時代は、現金だけでは生活を守りにくい
日本では、長くデフレの時代が続きました。
そのため、現金や預金を持っていることが、かなり強い安心材料でした。
しかし、インフレ(物価が上がっていく)時代には少し違います。
物価が上がるということは、同じ1万円で買えるものが減るということです。
預金通帳や給料の数字は変わらなくても、そのお金で買える量が減っていきます。
これが、現金の実質的な目減りです。
【教員の退職金はもう安心材料ではない?インフレで進む“実質目減り”の現実】

このインフレ時代に、給与が大きく伸びない教員が、自分の資産をすべてを現金のまま置いておくことにはリスクがあります。
だからこそ、これからの教員には、自分の資産を現金で守る部分と、資産運用で増やす部分を分けて考える力が必要になると思います。
教員は、長期・積立・分散投資と相性がよい
資産運用というと、まだ取り組んでいない先生の中には難しく感じる人も多いと思います。
ただ、教員に向いている資産形成は、高い専門知識が必要な短期売買ではありません。
教員に合っているのは、長期・積立・分散を基本にした資産形成です。

教員は、毎月の収入が比較的安定しています。
ボーナスもある程度見通せます。
長期的な家計計画も立てやすい。
そのため、毎月決まった額を積み立てる資産形成とは相性がよい職業です。
忙しい教員が、毎日相場を見て売買する必要はありません。
むしろ、忙しいからこそ、仕組みを作って淡々と続ける方が現実的です。
資産形成と教員とはこのくらいの距離感が合っていると思います。

詳しくはこちらの記事を読んでみて下さい。
【株式投資の基礎 教員こそ株式投資を始めよう】

NISAやiDeCoは、教員も知っておきたい制度
資産形成を考えるうえで、NISAやiDeCoは避けて通れません。

NISAもiDeCoも、使えば必ず得をする魔法の制度ではありません。
投資である以上、値下がりすることもあります。
商品選びを間違えれば、コストが高くなったり、自分に合わないリスクを取ったりすることもあります。
だからこそ、制度を知ることが大切です。
「よく分からないからやらない」でもなく、「みんながやっているから急いで始める」でもなく、まずは仕組みを理解する。
そのうえで、自分の家計、年齢、住宅ローン、教育費、退職時期、老後資金、家族の考え方に合わせて、無理のない範囲で使う。
これが大切だと思います。
【教員と相性抜群の投資制度?新NISAをわかりやすく解説】
【教員の老後資金対策にiDeCoは向いている?メリットとデメリットを徹底解説】
このブログでは、投資初心者の先生には楽天証券で投資を始めることをお勧めしています。楽天といえば楽天カードや楽天市場ですでに活用している先生も多いと思いますし、アプリも非常に使いやすいからです。
資産形成は、教員を辞めるためだけのものではない
資産形成というと、FIREや早期退職を思い浮かべる人もいるかもしれません。

もちろん、資産が増えれば、退職や転職の選択肢は広がります。
働き方を変える自由も増えます。無理をして働き続けなくてもよい可能性が生まれます。
そして、教員にとっての資産形成は、辞めるためだけのものではありません。むしろ、教員を続けるためにも必要ではないかと考えています。
お金に余裕がないと、仕事のストレスは大きくなります。
住宅ローン、教育費、老後資金、親の介護、自分の健康不安。
そうした不安があると、どれだけ仕事がつらくても、働き方を見直す選択がしにくくなります。

逆に、ある程度の資産があると、心に余白が生まれます。これはとても大きいです。
実際、私自身資産形成を始めて、現在は「今辞めてもすぐに困る事はない」という資産が積み上がりました。もちろん、心の余裕は大きくなりました。
今までの資産公開記事はこちら→【40代教員の金融資産大公開!】
資産形成は、教員を辞めるためだけのものではありません。
教員を続けるための支えにもなります。
資産形成は、人生の選択肢を増やすための土台なのだと思います。
私はそのことが発信したくてこのブログを始めました。

先生がお金を学ぶことは、教育にもつながる
教員自身がお金を学ぶことには、もう一つ大きな意味があります。
それは、教育にもつながるということです。
今の子どもたちは、将来、私たち以上に複雑な社会を生きていきます。
私たちも含め、経済活動と無関係に生きていくことはできません。だから最近、金融教育の必要性が言われ出したのです。

もちろん、教員が児童生徒に特定の投資商品を勧めるべきではありません。
それは教育の役割ではありません。
しかし、教員自身が経済や金融の基本を理解していることは、とても大切です。
物価が上がるとはどういうことか。
金利が上がると家計に何が起きるのか。
リスクとリターンとは何か。
借金と投資はどう違うのか。
詐欺的な金融商品をどう見抜くのか。
長期的に考えるとはどういうことか。
こうしたことを理解している教員は、子どもたちにより現実的な社会の見方を伝えられます。
先生たちがお金を学ぶことは、自分のためだけではなく、子どもたちに生きた社会感覚を伝えることにもつながります。
【教員の金融教養シリーズ総まとめ 金融教育ができる教員になるために私が学んできたこと】

教員に向いている資産形成は「地味で続く仕組み」
教員に向いている資産形成は、派手な投資ではありませんし、私もデイトレードのような投資をしているわけではありません。
教員に向いているのは、もっと地味な資産形成です。
低コストの投資信託を使う。
広く分散する。
毎月決まった金額を積み立てる。
NISAやiDeCoを無理のない範囲で使う。
相場が下がっても慌てて売らない。
何十年単位で考える。
地味ですが、続けることに意味があります。

教員という仕事は忙しいです。
授業、学級経営、生徒指導、保護者対応、校務、行事、研修。
毎日、目の前の仕事に追われます。
だからこそ、資産形成はできるだけ自動化した方がよいです。私は皆さんに手間もかからず続けやすいインデックス投資をお勧めします。
【インデックス投資とは?投資初心者の教員にもおすすめの理由を徹底解説】
資産形成は、教員の自由度を上げる
資産形成の一番の意味は、人生の自由度を上げることだと思います。
お金がすべてではありません。
しかし、お金がなさすぎると、選択肢が減ります。
苦しい職場でも辞められない。
体調が悪くても休めない。
家族に時間を使いたくても働き方を変えられない。
やりたいことがあっても挑戦できない。
子どもの進路に対して不安が大きくなる。
資産があれば、すべて解決するわけではありません。
しかし、選択肢は増えます。
正規教員を続ける。常勤講師になる。非常勤講師になる。別の自治体へ移る。
一度休む。転職する。家族との時間を増やす。副業や発信に挑戦する。
早期退職を検討する。もちろん、定年まで無理なく働く。
資産形成は、こうした選択肢を持つための準備です。
私自身、資産形成を続け、ある程度の資産を得たことで2028年度末に正規教員を退職するという選択肢を持つことができました。
【40代教員の退職後プラン|常勤講師で全国を旅する「漫遊計画」】
【夫婦で教員辞めて、その後の生活はどうするの?】

今辛い、しんどいと思っている先生も、資産形成さえ順調なら収入減を気にする必要のない転職だって視野に入ってきます。

合わせて読んでほしい:HOW TO 教員の転職シリーズ
【HOW TO 教員の転職シリーズ|8つの実例とキャリア戦略で“これからの働き方”が見えてくる】

まとめ
先生だからこそ、資産形成を学んでよい
インフレと円安の時代に、教員の安定は今後も価値を持ちます。
しかし、安定だけで豊かさを感じられる時代ではなくなりつつあります。
物価は上がる。
生活費は増える。
金利も上がる可能性がある。
民間賃金が上がれば、教員給与の相対的な魅力は下がりやすい。
教員の仕事は社会的意義が高い一方で、収入を大きく伸ばしにくい。
だからこそ、先生たちにも資産形成を学んでほしいのです。
それは、投資で一発逆転するためではありません。
誰かに金融商品を勧めるためでもありません。
教員を辞めるためだけでもありません。
自分の生活を守るため。
家族の将来に備えるため。
仕事に振り回されすぎないため。
無理な働き方から距離を置くため。
子どもたちに現実的な社会感覚を伝えるため。
人生の選択肢を増やすため。
そのための資産形成です。
もちろん、投資にはリスクがあります。
元本割れもあります。
相場が大きく下がることもあります。
だからこそ、無理をしてはいけません。
生活防衛資金を確保し、家計を整え、制度を学び、自分に合った範囲で始めることが大切です。
教員に必要なのは、派手な投資ではありません。
長期で考えること。
積み立てること。
分散すること。
続けること。
リスクを理解すること。
そして、自分の人生を自分で守る意識を持つこと。
教員は、子どもたちの未来を支える仕事です。
だからこそ、先生自身の未来も大切にしてよいはずです。
インフレと円安の時代に、教員としてどう生きるのか。
その答えの一つとして、私は資産形成を学ぶことを強く勧めたいと思います。
先生たちがお金を学ぶことは、決して悪いことではありません。
むしろ、これからの時代を生きるために必要な教養です。
安定に頼るだけでなく、自分でも備える。
やりがいに頼るだけでなく、生活も守る。
教育への思いを大切にしながら、自分の人生の選択肢も増やしていく。
これが、これからの教員に必要な資産形成の考え方なのだと思います。


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