【40代教員の退職カウントダウン212:退職まで残り2年6か月】
はじめに
先日、大学入試の共通一次試験出願について、長男と一緒に調べてみました。
長男の高校は出願に関して家庭の責任で行うという方針なのです。
調べてみてわかったのは、高校生にとって自力で正しく出願することが、思ったよりも難しいかもしれない。ということです。
教員として大学入試について調べてきたつもりでしたが、実際に保護者として息子と画面を見ながら手続きをしてみると、「これは高校生が何となく一人でやればいい手続きではないな」と感じました。

シリーズ「進路指導ができる教員になろう」。
第7回は、大学入試のWeb出願について情報提供です。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】
シリーズ最初の記事はこちら【大学入試は私たちの頃とこんなに違う――教員が知っておきたい現在の大学受験】

共通テストもWeb出願の時代
現在の大学入学共通テストでは、志願者自身がWeb上で手続きを行います。
大学入試センターのマイページの作成、志願者情報の入力、顔写真のアップロード、受験教科・科目の登録、検定料の支払い、受験票の取得。
これら全てを、基本的にオンラインで進めます。
以前のように、「高校から紙の願書をもらい、記入して提出する」というイメージとはかなり違います。

もちろん高校によっては、授業時間などで面倒を見てくれる高校もあるでしょう。
ただ、長男の高校はそうではなく、次男の高校も3年生になったら自分で行うとのことでした。
つまり今の受験生には、受験勉強だけでなく、正しく情報を確認して手続きを完了する力も必要になっているのです。
実際に息子とやってみると、意外と緊張する
長男とWeb出願を進めていて感じたのは、入力自体は難しくなくても、間違えられない緊張感があるということでした。
「受験科目はこれで合っているか」
「氏名や住所は間違っていないか」
「写真はこれで大丈夫か」と、一つ一つ確認したくなります。
親としては、つい全部やってあげたくなります。
でも、受験するのは本人です。我が家では、基本的には本人が手続きを進め、必要なところを一緒に確認する形にしました。

この経験から、本人が操作し、保護者がダブルチェックするくらいがちょうどよいのではないかと感じています。
Web出願にも事前準備が必要
Web出願というと、「スマホがあればすぐできる」と思いがちです。
しかし、実際には準備が必要でした。
共通テストの場合でも、大学入試センターから情報を受け取るためのメールアドレスや顔写真データなどを用意します。
そして何より大切なのが、事前に本人が受験案内を読むことです。

最近の若者が遊んでいるゲームは、序盤に操作方法等のチュートリアルがあり、説明書がついていないことが多いです。説明書を事前に読むという習慣は、おそらく多くの子どもについていないでしょう。

Web出願だからといって、「画面の指示通りに進めれば大丈夫」とは限りません。私の長男も何度か首をかしげることがありました。
もちろん、これは各大学への出願でも同じです。
顔写真も何でもいいわけではない
現在は、願書に証明写真を貼るのではなく、顔写真データをアップロードする方式が一般的になっています。
ただし、背景や顔の大きさ、撮影時期やファイル形式。など、条件が決められている場合があります。
講師の話では、条件に合わず再登録を求められるケースもあるとのことでした。
ですから、写真は事前にしっかり条件を確認し、早めに準備しておく方が安心です。

「入力した」で終わりではない
Web出願で特に注意したいのがここです。
必要事項を入力すると、「出願できた」という気持ちになります。
しかし、検定料の支払いが必要な場合、支払いまで終わらなければ出願完了ではありません。
つまり、「Webで入力した」=「全部終わった」ではないということです。
これは大人にとっては当たり前ですが、高校生にとっての当たり前ではないかもしれません。子どもはWeb入力が終わり安心してしている、親は子どもに任せて確認していない。
「出願したの?」→「大丈夫、しっかりやったよ」のコミュニケーションでは危ないかもしれません。

Web出願なのに郵送が必要なこともある
また、Web出願と書かれていても、すべてオンラインで完結するとは限りません。
大学によっては調査書や推薦書、資格証明書やその他の必要書類を別途郵送する場合があるとのことです。
しかも、「必着」なのか、「消印有効」なのか、大学によって違います。
子どもは必着と消印有効の違いをわかっているでしょうか。また、必要書類を郵送することにも気づいていない事もあるでしょう。

講師も、前年度と同じだと思い込まず、その年度の募集要項を親がともに必ず確認することと話していました。
スマホでできる。でも大きな画面の方が安心だった
Web出願はスマートフォンでも可能な場合が多いです。
高校生にとっては、スマホの方が使い慣れているかもしれません。
ただ、実際に長男と出願してみると、私はパソコンの方が安心だと感じました。
様々な情報を一覧で確認しやすいからです。
もちろんスマホが悪いということではありません。ひょっとしたら世代間ギャップのせいなのかもしれません。
ただ、大切な手続きほど、見落としにくい環境で確認するという考え方は大切だと思います。

プリンターが必要になることもある
「全部デジタルなら紙はいらない」と思いがちですが、そうでもありません。
共通テストでは、受験票を自分で取得し、紙に印刷して持参する必要があります。
つまり、受験票が郵送されてくるとは限らないということです。
家庭にプリンターがなければ、コンビニで印刷したり、学校で相談したりなどの方法を事前に考えておく必要があります。

Web出願は情報活用能力そのもの
今回、実際に手続きをしていて、Web出願そのものが情報活用能力の実践なのではないかと思いました。
正しいサイトを確認する。
募集要項を読む。
期限を管理する。
個人情報を入力する。
写真をアップロードする。
支払いをする。
PDFを確認する。
必要なら印刷する。
分からなければ公式情報を調べる。
かなり多くの力が必要です。
そしてこれは、大学入学後にも続きます。
大学の履修登録、奨学金申請、就職活動。さまざまな手続きを大人の力を借りる事なく自分で行うことになりますし、その力が必要です。

教員や親がすべきなのは「代わりにやる」ことではない
だからこそ大切なのは、親や教師が全部手続きをしてあげることではありません。
「締切はいつ?」
「入力だけで終わり?」
「郵送するものはない?」
「受験票はどうやって受け取る?」
と問いかけ、本人が自分で確認できるようにすることだと思いました。
進路指導とは、「どの大学なら受かるか」を教えるだけではありません。
実際にその大学を受験するために必要なことを、自分で確認できる力を育てることも含まれるのだと思います。

大人は「主役」ではなく「確認役」
長男と一緒に出願して、私自身も考えました。
親が全部やれば早い。
でも、それでは本人の受験ではなくなってしまいます。
逆に、「高校生なんだから全部自分で」と任せきるのも少し怖い。
だから私は、本人が主体、大人が確認役くらいがちょうどよいと思っています。
本人が入力し、本人が受験科目を確認し、本人が募集要項を読み、最後に一緒に確認する。
今回、実際に保護者として共通テストの出願に関わったことで、このバランスの大切さを実感しました。
「出願できる力」も進路実現に必要な力
大学入試というと、どうしても偏差値や模試判定に目が向きます。
しかし、どれだけ勉強していても、正しく出願できなければ試験を受けることはできません。
当たり前のことですが、Web化が進んだ現在では、その手続きも本人に求められる力の一つになっています。
大学受験は、試験当日だけではありません。
Web出願の画面を開いたところから、すでに受験は始まっています。
親としても、「ちゃんと勉強している?」だけでなく、「募集要項は読んだ?」「締切は確認した?」「本当に出願完了している?」と声をかけられるくらいの知識は持っておきたいと思います。
子ども自身が、「自分の進路だから、自分で確認する」という姿勢を身につける。
それもまた、進路指導の大切な一部なのだと思います。
次回は、
「英検はいつ取る?――大学入試で広がる英語外部検定の活用」
について考えてみたいと思います。
※本記事は、大手予備校が主催する大学入試に関する講義で学んだ内容と、私自身が高校生の長男と大学入学共通テストの出願手続きを進めた経験をもとに整理しています。出願方法や必要書類、締切は年度や大学によって異なるため、必ず最新の募集要項・公式情報をご確認ください。


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