【40代教務主任の退職カウントダウン198:退職まで残り2年8ヶ月】
はじめに
2026年の夏休み、私は教務主任として初めて教員採用試験の面接官と模擬授業の監察官を担当しました。そのリアルを伝えるこのシリーズも、今回で4回目になります。

第1回では、面接官は「この人と一緒に働きたいか」という視点で受験生を見ていることを書きました。
【面接官を経験して分かった「本当に見ているポイント」】
第2回では、模擬授業で印象に残った受験生の共通点についてお伝えしました。
【模擬授業で印象に残った受験生の共通点】
第3回では、「もったいない」と感じた受け答えについて紹介しました。
【面接で「もったいない」と感じた受け答え】
今回は少し視点を変えて、「採用された後に成長しそうな先生とは、どんな人なのか。」について書いてみたいと思います。

もちろん、私は数十分の面接や模擬授業だけで、その人の将来を判断できるとは思っていません。
しかし、二十年以上学校現場に立ち、教務主任として多くの初任者や若手教員と一緒に働いてきた経験から、「この人は伸びそうだな。」と感じる共通点があるのも事実です。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】
「完璧な先生」より「伸びしろのある先生」
受験生の中には、「完璧な教師像」を演じようとする人がいます。
私は失敗しません。困りません。何でもできます。
そんなメッセージを伝えようとする先生です。

でも、現場ではそんな先生はいません。
私自身も、二十年以上教員を続けていますが、今でも毎年失敗します。
教師という仕事は、完成する仕事ではありません。
だから私は、「私はまだ学ぶことがたくさんあります。」という姿勢を持っている人に、大きな可能性を感じます。

素直に学べる人は必ず成長する
学校では、若い先生にアドバイスをする機会がたくさんあります。
そのとき、伸びる先生には共通点があります。
それは、素直であること。
「ありがとうございます。」
「やってみます。」
「なるほど、そういう考え方もあるんですね。」
そんな一言が自然に出る先生は、一年後には見違えるほど成長しているような気がします。

逆に、自分のやり方にこだわり過ぎる先生は、なかなか変われません。
教育には、絶対の正解がありません。
だからこそ、学び続ける姿勢が何より大切なのです。
子どもの話を一番楽しそうにする人
面接でも、模擬授業でも、私はある瞬間が好きでした。
それは、受験生が教育実習やボランティア、部活動の外部指導やアルバイトでの子どもとのエピソードを話し始める瞬間です。
急に表情が柔らかくなる人がいます。
これは演技ではできません。
本当に子どもと関わることが好きだからこそ、自然と出てくる表情だと思います。

もちろん教師は、子どもが好きなだけでは務まりません。
ただ、やっぱり子供が好きだという気持ちはベースにあるべきだと思います。
子どもと関わることを楽しめる人は、長く教師を続けられる可能性が高いと感じています。
「相談できます」が言える人は強い
若い頃の私は、相談することが苦手でした。
でも、教務主任になって分かったことがあります。
相談できる先生ほど、周りから信頼されています。

学校は、チームで子どもを育てる場所です。
困ったときに「相談していいですか。」と言える先生は、決して弱い先生ではありません。
むしろ、子どものために最善を考えられる先生です。
面接でも、そうした考え方が伝わる受験生には、安心感がありました。
「できたこと」より「学んだこと」を話せる人
教育実習の経験を聞かれたとします。
「授業が成功しました。」
もちろん、それも素晴らしい経験です。

でも、面接官がもっと聞きたいと思うのは「そこから何を学んだのか。」です。
教師は、毎日振り返る仕事です。
授業を振り返る。子どもとの関わりを振り返る。学級経営を振り返る。
だから、成功談だけではなく、失敗から学んだことを話せる人は、成長し続けられる先生になるのではないかと感じました。
「教師は『できる人』ではなく『育つ人』を目指してほしい」
若い先生から、「早く一人前になりたいです。」と言われることがあります。
その気持ちはよく分かります。
でも、教師には「一人前」というゴールはありません。
十年目でも学びます。二十年目でも悩みます。教務主任になっても勉強です。

だから私は、「できる先生になろう。」ではなく、「毎年少しずつ育つ先生になろう。」と思って欲しいです。それで十分だと思います。
おわりに
今回、面接官を経験し、そしてこれまで教務主任として多くの若手教員と働いてきた経験を重ね合わせる中で、一つ確信したことがあります。
学校が求めているのは、最初から完成された教師ではありません。
子どもと向き合い、同僚と協力し、失敗から学び、毎年少しずつ成長していける教師です。
教員採用試験も、そんな「伸びる先生」を見つけようとしているのではないでしょうか。
これから受験する皆さんも、完璧な教師を演じようとする必要はありません。
「私はこれからも学び続けます。」
その姿勢こそが、教師として最も大切な資質なのだと、私は思います。


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