【40代教員の退職カウントダウン213:退職まで残り2年6か月】
はじめに
「英検って、大学受験で本当に役に立つの?」
高校生の進路を考えていると、そんな疑問を持つことがあります。
私自身、高校生の息子たちの大学受験を考えるようになってから、英検を見る目が少し変わりました。
以前は、「英語力を測る資格」というイメージが強かったのですが、大手予備校の大学入試に関する講義を聞くと、現在は英検などの英語外部検定を大学入試で活用するケースがかなりあるとのことでした。
しかも、「英検2級を持っていれば有利」といった単純な話ではありません。
級。CSEスコア。取得した時期。利用できる入試方式。大学や学部によって扱いはさまざまです。

シリーズ「進路指導ができる教員になろう」。
第8回は、大学入試における英検などの英語外部検定について考えてみます。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】
シリーズ最初の記事はこちら【大学入試は私たちの頃とこんなに違う――教員が知っておきたい現在の大学受験】

英検は大学入試でどう使われるのか
大学によって違いますが、英検などの外部検定は、出願資格として使われたり、英語試験の得点に換算されたり、一定の条件を満たせば、英語を満点扱いにする仕組みなどがあるそうです。
英検協会も、大学入試での利用例として、CEFRレベルを出願資格にしたり、一定のレベルを満たした場合に大学独自の英語試験を「みなし満点」としたりする方式を示しています。
つまり、「資格を持っているから少し有利」という程度ではなく、入試そのものにかなり大きく影響する場合があるということです。
「英検○級」だけを見ればよいわけではない
今回の講義で特に印象に残ったのが、級だけではなくスコアを見る大学があるという話です。

英検には、CSEスコアという共通の尺度があります。
3級から1級では、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能についてそれぞれスコアが出て、その合計も示されます。
そのため大学によっては、「英検2級以上」ではなく、「CSEスコア○○点以上」と条件を設定することがあります。
例えば同じ英検2級を受験していても、スコアは人によって違います。英検協会によると、CSEスコア証明書は合格・不合格にかかわらず発行できるとのこと。
そのため、大学側が級ではなくCSEスコアやCEFRレベルを条件としている場合、「その級に合格していない=大学入試でまったく使えない」とは限りません。募集要項をよく確認する必要があります。
つまり、「何級に受かったか」だけではなく、「何点取ったか」も重要になる場合があるわけです。
英検はいつ取ればいいのか
講師の話では、できれば高校1・2年生のうちから受験しておくとよいとのことでした。

理由はシンプルです。
高校3年生になると、共通テスト対策、一般選抜の勉強、総合型・推薦の準備、志望理由書、面接など、やることが一気に増えます。
そこから英検対策まで始めると、かなり忙しくなります。

一方、高校1・2年生なら、「今回は2級を目指す」「次はCSEスコアをもう少し伸ばす」と、段階的に挑戦できます。
2026年度の従来型英検も、第1回、第2回、第3回と年間複数回実施されています。
だから、必要になってから慌てて取るのではなく、使う可能性を考えて早めに挑戦しておくという考え方は合理的だと思います。
私自身と息子の経験から、高校生でまだ英検未受験ならとりあえず、高校中級程度のレベル感である準2級に挑戦することをお勧めします。
英検準2級の基本情報と難易度
- 目安の学力:高校2年生前後、または中学卒業〜高校基礎レベル。
- 必要な単語数:約2,600〜3,600語程度(中学レベルに高校初期の単語が加わる)。
- 他試験の換算目安:TOEIC 450〜490点程度。
試験の特徴と3級との違い
- 長文の増加:3級に比べてリーディングの長文量や大問が増え、学校や社会などの少し広い話題が扱われます。
- ライティング:Eメールの返信問題や、自分の意見を論理的に書く問題が含まれます。
- リスニング:音声が流れるのは1回のみのため、単語や文法の基礎を耳で素早くキャッチする力が必要です。
以下は息子が使ってみてよかった勉強用の書籍です。
取得時期にも注意する
もう一つ注意したいのが、英検の成績はいつ取得したものでも必ず使えるとは限らないということです。
英検協会も、提出先によっては証明書類について有効期限を設定している場合があるため、募集要項を確認するよう案内しています。
例えば、高校1年生で取得した英検が使える大学もあれば、「出願前○年以内」などの条件が設定される可能性もあるそうです。
ですから、「中学生のときに2級を取ったからもう大丈夫」とも限りません。
級・スコア・取得時期の3つを見る。ここまでがセットだと講師も言っていました。

総合型・推薦との相性もいい
英語外部検定は、総合型選抜や学校推薦型選抜とも相性が良いです。
第2回でも書いたように、現在の推薦・総合型選抜は、「学力を問わない入試」ではありません。
【「推薦なら楽」はもう古い?―総合型・学校推薦型・一般選抜を教員が理解する】
大学によっては、英検などの資格・検定試験を学力評価の材料として使います。

そう考えると、高校1・2年生で英検に挑戦することは、単なる資格取得ではなく、将来の入試方式の選択肢を増やすことにもつながります。
「一般選抜しか考えていなかったけれど、英検のスコアがあるからこの方式も受けられる」
ということが起きるかもしれません。
だからこそ「英検を取れ」と言うだけでは足りない
大人として気を付けたいのは、「大学受験で使えるから英検を取っておきなさい」だけで終わらないことです。
大切なのは、なぜ取るのかを本人が理解することだと思います。
例えば、
「志望大学でCSEスコアが使える」
「このスコアがあれば英語を80点換算してもらえる」
「この入試方式に出願できるようになる」
と分かれば、目標が具体的になります。
単なる、「英検2級を取りなさい」よりも、「この大学を受けるなら、このスコアがあると選択肢が広がるよ」と伝えられる方が、進路指導としては意味があります。

英検は「資格」より「選択肢」と考える
今回、英検についての話を聞いて、私は、英検は資格そのものより、進路の選択肢を広げるものと考えると分かりやすいのではないかと思いました。
持っていなくても受験できる大学はたくさんあります。
だから、「英検がないと大学には行けない」というものではありません。
つまり、持っていることで使えるカードが増える場合があるという資格であるということです。

そして、そのカードは高校3年生になって急に欲しいと思っても、すぐには手に入らないかもしれません。
だからこそ高校1・2年生の段階から、「興味のある大学では英検をどう使っている?」と一度調べてみる。それだけでも進路準備として意味があると思います。
進路指導で教員ができること
小中学校の教員が、「大学受験には英検準1級が必要だ」などと細かく指導する必要はありません。
高校の先生でも、すべての大学の制度を覚えることはできません。
でも、「英検などの資格が大学入試で使われることがある」と知っておく。
そして子どもから相談されたら、「その大学ではどう使えるのか、一緒に見てみよう」と言える。
これで十分だと思います。
その子が行きたい進路のために、どんな準備ができるのかを一緒に考えること。
英検も、その選択肢の一つなのだと思います。
だから、卒業生などから「英検はいつ取ればいい?」と相談されたら、私は、「できれば早め。でも、まず行きたい大学でどう使えるか調べよう」と答えたいと思います。
英検を取ること自体を目的にするのではなく、その先にある進路のために活用する。
教員として、そんな見方を知っておきたいと思います。
※本記事は、大手予備校が主催する大学入試に関する講義で学んだ内容をもとに、教員の立場から整理したものです。英語外部検定の利用条件、必要級・CSEスコア、取得時期、得点換算方法などは大学・学部・入試方式・年度によって異なります。実際の受験では必ず最新年度の募集要項をご確認ください。


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