【40代教員の退職カウントダウン171:退職まで残り2年10か月】
はじめに
教師をしていると、
- 指示が通りにくい
- 子どもが反発する
- 注意ばかりになる
- クラスの空気がギスギスする
そんな学級に出会うことがあります。
逆に、子どもが協力的だったり雰囲気が柔らかい、そして教師の言葉が届く、子ども同士の関係も良い学級もあります。
もちろん、学級経営には様々な要素があります。
私はその要素の一つに、心理学で“人は向けられた感情を返しやすい”という特徴があると考えています。
これを返報性の原理と言います。
そこで、この記事では、先生方に向けて好意や嫌意の返報性の原理ついて簡単に紹介したいと思います。
私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】


好意の返報性とは?
返報性の原理とは、人から何かを受け取ると、お返しをしたくなる心理のことです。
例えば、
- 親切にされると親切に返したくなる
- 笑顔を向けられると笑顔を返したくなる
- 好意を向けられると好意を返したくなる
というものです。
好意の返報性は、営業やマーケティングでもよく知られている心理学です。
例えばスーパーの試食や某有名化粧品メーカーの豪華すぎるお試し商品などの利用され、確実に利益を上げています。

そしてこの心理学は、学校現場とも非常に関係があります。
実は「嫌意」も返報される
返報されるのは、好意だけではありません。
- イライラ
- 呆れ
- 面倒くさそうな態度
- 冷たい反応
こうした感情も、相手に返りやすいのです。つまり、教師の感情は、子どもに伝染するということです。

子どもは教師の感情を驚くほど見ている
教師はつい、授業内容や指導技術、学級ルールに意識が向きます。
しかし子どもは、教師の表情や声のトーン、自分に対する反応速度や名前の呼び方・目線・空気感を非常によく見ています。
例えば、「またお前か…」という空気や面倒そうな返事、雑なリアクション。こうしたものを、子どもは敏感に感じ取ります。

「嫌われている」と感じると子どもは変わる
心理学的に見ると、「自分は嫌われている」と感じた時、人は防衛的になります。
子どもなら、反抗する・無気力になる・話を聞かなくなる・教師を試す・わざとふざけるなどの行動につながることがあります。

すると教師側もさらにイライラし、悪循環になります。
なぜ“好きな先生”の言葉は届くのか
学校には、「あの先生の言うことなら聞ける」という教師がいます。
もちろん指導技術もあります。
しかし大きいのは、「自分を認めてくれている」という感覚です。
人は、好意を向けてくれる相手の言葉を受け入れやすくなります。
これは学級経営でも非常に重要だと思います。

学級経営に必要なのは「好意を示す力」
ここで大切なのは、“本心で好きかどうか”ではありません。
教師も人間です。相性や疲労、ストレス、苦手意識は当然あります。
しかし、「好意を表現する」ことはできます。つまり、教育のプロとして演技をすると言うことです。

教師に必要なのは“演技力”かもしれない
この「演技」という言葉には、抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし教師という仕事には、感情をコントロールして関係をつくる側面があります。
例えば、朝は笑顔で迎える。名前を頻繁に呼ぶ。何か手伝ってもらう。好意を言葉にする。

これは、毎日本心から自然にできる時ばかりではありません。
疲れている日もあります。
イライラしている日もあります。
それでも、「教師として好意を示す演技」はできる。
これは“嘘”というより、関係を育てるための技術なのだと思います。
教師に必要な演技力についてはこちらの記事でも話題にしました。
【教員こそ読んでほしい一冊 鴻上尚史『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』】

特別支援教育でも重要
特別支援教育では、この視点はさらに重要です。
発達特性のある子どもは、教師に注意される経験や否定される経験を多く積み重ねていることがあります。
そのため、「先生は自分を嫌っている」と感じやすい場合があります。
だからこそ、笑顔や承認、安心感やその子に興味を示すこと。
そしてその演技が非常に大きな意味を持ちます。

【特別支援教育を理解したい!特別支援学級の担任におすすめの本3選】
好意は「甘やかし」ではない
好意を示すことは、叱らないことではありません。
必要な指導は必要です。
しかし、「あなたを否定しているわけではない」という土台があるかどうかで、子どもの受け取り方は大きく変わります。

教師の感情は学級の空気になる
教師は、毎日何十人もの子どもに影響を与えています。
心理学的には、教師の感情は子どもに伝染すると言われます。
だからこそ、
- 笑顔
- 安心感
- 好意
- 興味
- 温かい反応
を意識的に表現することは、学級経営そのものにつながると思います。

まとめ|子どもは教師の感情を返している
返報性の原理は、人は向けられた感情を返しやすいという心理学です。
学校現場では、教師の好意や関心、温かさが、子どもに返ってくることがあります。
逆にイライラや呆れ、冷たさも教師に返ってくることがあります。
もちろん、教師も完璧ではありません。
だからこそ必要なのは、「好意を表現する技術」なのかもしれません。
学級経営とは、ルールづくりだけではなく、感情の空気をつくる仕事でもあるのだと思います。



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