【教員の退職金はなぜ減らされたのか?】2013年の退職金制度改正から考える「退職金は絶対ではない」という現実

教員の資産形成

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はじめに|「公務員の退職金は安泰」は本当か?

公務員、とくに教員は「安定している」と言われます。

給与は急激には上がらない代わりに、下がることも少ない。そして何より退職金という大きな“最後の武器”がある。

私自身、20年以上教員を続けてきましたが、若い頃はどこかでこう思っていました。

退職金は、さすがに守られているだろう。

退職金は、さすがに守られているだろう。

しかし——

2012年から2013年にかけて、教員を含む公務員の退職金は大きく減額されました

定年直前の教員が、予定を早めて大量退職したあの出来事です。

ちょうど私の両親の退職年度と重なり、両親は二人で600万円ほどの減額を受け入れざるを得ませんでした。

今回は、

  • なぜ退職金は減額されたのか
  • 今後も起こり得るのか
  • 教員はどう備えるべきか

を整理します。

私は40代、小学校教員・教務主任(担任兼務)です。3年半後の2028年3月に正規教員を退職すると決めています。詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯

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2012〜2013年に何が起きたのか?

■ 退職金を約15%引き下げ

2012年、人事院は国家公務員の退職手当について支給水準を約14.9%引き下げる人事院勧告を出しました。

人事院とはいわば「公務員の公平な人事や働き方を守るための、中立な審判役」の機関、そして人事院勧告とは「公務員の給料を世の中(民間企業)の基準に合わせて調整するアドバイス」のことです。

もちろん、公務員が民間に比べて低い給料で働いている場合は給料を上げるように勧告しますが、この時は「公務員は民間に比べて退職金をもらいすぎている」と勧告したのです。

これを受けて、国家公務員とそれに準拠する地方公務員(=教員)の退職金が段階的に引き下げられることが決まりました。

結果として、定年退職者で約300万〜400万円規模の減額が生じたケースもあります。

この引き下げは2013年3月からのスタートだったので、2月末で退職するか3月以降に退職するかで、退職金の金額に数百万円の差が出ました。

そのため、全国で3月まで勤めずに退職する「駆け込み退職」が発生し、現場で大混乱が起きました。

また、私の両親を含めた多くの教員は、目の前の子どもたちや仕事を優先して3月まで勤めた結果、退職金が減額されるという理不尽な思いをしたのです。

目の前の子どもたちや仕事を優先して3月まで勤めた結果、退職金が減額されるという理不尽な思い

なぜ退職金は減らされたのか?

退職金は「約束された固定額」ではありません。

公務員の退職手当は、「法律・条例・人事院勧告・民間給与との均衡」という仕組みの中で決まっています。

■ 民間との均衡原則と政府財源

当時の人事院は、民間企業の退職金水準と比べて公務員が高いと判断しました。

公務員制度の基本は「民間準拠」。

つまり、民間が下がれば、公務員も下がるという構造です。

また、当時はリーマンショック後の財政悪化期。社会保障費の増大もあり、公務員の人件費抑制は政策課題でした。

その中で退職金も「聖域」ではなかったのです。

退職金も「聖域」ではなかった

教員にとって何を意味するのか?

教員の退職金は、減額されたとはいっても確かに大きい。また、退職所得控除で大きな税制優遇があり、一時金として資産形成にも使える、まさに“最終兵器”です。

しかし2013年の出来事が示したのは、制度が将来も同じとは限らないという現実です。


今後も減額は起こるのか?

これはもちろん、断言はできません。しかし、2013年の減額に政府の財政悪化が背景にあったとするならば、以下の構造を見ると今後のリスクはゼロではありません。

■ 少子高齢化

■ 社会保障費の増大

■ 公務員人件費への圧力

■ 民間賃金との比較原則

退職金は、「将来支給される約束」はありますが「絶対額が保証されている約束」ではありません。制度は政策で変わりますし、退職金の額も変わるでしょう。


教員はどう備えるべきか?

私はこう考えるべきだと思っています。

退職金は“前提”にしない。

人生設計を、

  • 退職金ありき
  • 満額前提
  • 制度不変前提

で組むのはリスクがある。

退職金は「セーフティネットでありボーナスとしてもらえる余剰資金」くらいの位置づけで考える。その代わりに、

などで、複線的な資産形成をしておくことが安心につながると感じています。


まとめ|退職金は武器。でも絶対ではない。

2012〜2013年の減額は、公務員制度の根幹が揺らいだ出来事でした。

退職金は確かに強力です。

しかし、制度は未来永劫、同じとは限らない

教員という安定職でも、制度変更リスクは存在する。

だからこそ、退職金を「期待」するのではなく、退職金を「余力」にできる資産形成を。

これが、これからの教員に必要な視点ではないかと思います。

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