【40代小学校教員の退職カウントダウン24:退職まで残り3年7ヶ月】
はじめに
この夏、東京で開催された リーディングDX事業の夏期研修(3日間) に参加しました。
私は40代の小学校教員・教務主任(担任兼務)。
3年半後の2028年3月に正規教員を退職する予定です。
リーディングDX事業とは、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の発展形で、授業に生成AIを活用するなど、これからの教育をどう変えていくかを模索する取り組みです。
リーディングDXについての記事はこちら→「AIを授業で使っていますか?未来のドラえもんはもう教室にいる」
研修を通じて「教育の未来像」を強く意識するようになった私は、夏休みの時間を使って関連する本を読み進めました。
その中から、先生方にぜひおすすめしたい AI時代の教育を考える3冊 を紹介します。
『捨てられる教師』|教師は「教える人」から「学びを支援する人」へ

タイトルにドキッとするかもしれませんが、決して教師を否定する本ではありません。
著者は、AIの普及によって「知識を教える」だけの役割は価値を失い、教師の役割は根本から変わると説きます。
- AIは相棒になる
AIを脅威ではなくパートナーと捉える視点を提示。AIが知識提供を担うことで、教師は子どもの探究や学びの深まりを支援できるようになります。 - 教師は「ファシリテーター」へ
これからの教師は、一方的に知識を伝える人ではなく、生徒が問いを立て、考えを深める過程を支える存在に変わるべきだと語ります。 - 教育の未来に希望を与えてくれる
「教師の仕事がなくなる」という不安に対し、AI時代だからこそ求められる新しい教師像を描き、明るい展望を示しています。
👉 私自身も読んでいて「板書や解説に時間を割くより、子どもの問いを支えることにもっと力を注ぎたい」と感じました。AIと共存する未来を前向きに考ると同時に変化を恐れ、時代の進化に目を瞑った時、「捨てられる」のだなという恐怖も少しだけ感じました。
『AIに負けない子を育てる』|子どもに本当に必要な「読解力」とは

荒井紀子さんによる本で、AI時代に子どもたちが身につけるべき「本当の学力」をテーマにしています。少し前の本ですが、我々の永遠の課題である読解力にフォーカスした内容はとても興味深いです。
- AIは読解力がない
著者が開発した「RST(リーディング・スキル・テスト)」の調査で、日本人の多くが教科書すら正確に読めていないという事実を指摘。AIも同じく、行間の意味を読み取る力に乏しいことを示しています。 - AIに負けない力の育て方
読解力、論理的思考、対話力といった「AIが苦手な力」を育む必要性を解説。教科書を丁寧に読む、要約練習、他者との対話など、学校でも取り入れやすい実践方法が紹介されています。 - 将来に役立つ学び
マニュアル通りの仕事や暗記の価値が下がる中、「本物の読解力」をどう育てるかが子どもの未来を左右すると強く訴えています。
👉 荒井さんの前著「AI vs 教科書の読めない子どもたち」もなかなか衝撃の内容です。どちらを紹介するか迷いましたが、より実践的なこちらを選びました。
『教育DXと変わり始めた学校』|現場で起きているリアルな変化
佐藤明彦さんの著書で、GIGAスクール構想以降の教育現場がどう変わり始めているかを具体的な事例で紹介しています。佐藤さんはリーディングDX夏期研修の講師の一人で、事業の主要人物の一人です。

- 教育DXの本質
単なるタブレット配布ではなく、教員の働き方改革や個別最適化学習の実現など、教育の価値そのものを変える取り組みであることを強調。 - 成功事例の紹介
授業でICTを効果的に活用する学校や、業務を効率化して教員の負担を減らす事例が豊富に紹介されています。 - 教員の役割の変化
ルーティン作業をAIやICTに任せることで、教師は子ども一人ひとりの学びを支える時間に集中できる、と指摘しています。
👉 私も読んで「リーディングDX事業は、机上の理想ではなくすでに現場で動いている流れなのだ」と確信できました。未来の教育を具体的にイメージできる一冊です。
まとめ|AI時代の教育を考える3冊
- 『捨てられる教師』:教師の役割の変化を示す哲学的な一冊
- 『AIに負けない子を育てる』:AI時代に子どもが育むべき「本物の読解力」を解説
- 『教育DXと変わり始めた学校』:ICT・DXで現場がどう変わっているかを事例で紹介
これらを読み比べると、AI時代の教育のカギは
「教師の役割転換」「子どもが身につける力」「デジタル技術の活用」
にあることが見えてきます。
リーディングDX事業は、この3つを実際の教育現場で実現する挑戦そのものです。先生方がこのテーマに関心を持ち、授業づくりや働き方に生かすきっかけになればと思います。

教育の未来!?AIについて考えるシリーズ
「教員向けChatGPT活用プロンプト集|授業・校務・研究で即使えるテンプレート」
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