【40代小学校教員の退職カウントダウン47:退職まで残り3年6ヶ月】
はじめに
教員は辞めたい。でも異業種に飛び込むのは不安──そんな気持ちを抱いている先生もいらっしゃいますよね。
私自身、40代で小学校教務主任を務めながら、2028年度末に正規教員を退職する予定です。
私には
①早期退職をして、非常勤講師でのんびり働きながら自由を満喫するサイドFIRE
②他県で常勤講師をしながら全国漫遊をする
という2つの人生プランがあります。
私のプランの詳細は以下の記事にて
①「夫婦で教員辞めて、その後の生活はどうするの?40代教員のFIRE計画」
②「40代教員の退職後プラン|常勤講師で全国を旅する「漫遊計画」」
そこで今回取り上げたいのが1つ目の計画の軸になる「非常勤講師」という働き方です。
正規や常勤のように担任・校務分掌・部活動などを抱えず、授業に集中できるというメリットがあります。ただし経済的には安定性が低く、「家族持ちで資産が少ない場合は生活は厳しい」という現実もあります。
本記事では、公立小中学校における非常勤講師の勤務形態や給与実態を整理しつつ、
どんな人に向いているのか、どんな条件なら現実的な選択肢になるのかを考えてみたいと思います。


非常勤講師とは?勤務形態の仕組み
非常勤講師は、授業に特化した「パートタイム教員」です。
- 契約形態:基本的に1年ごとの有期契約(会計年度任用職員)。
- 勤務形態:1コマ=60分。45分授業を「準備・採点を含めて60分」として換算。
- 出勤日数:授業がある時間にだけ出勤し、終われば退勤。他校と掛け持ち勤務も可能。
- 勤務時間:週20時間以内に抑えられることが多い(社会保険加入の境目)。
つまり「授業が仕事の中心」であり、担任や校務分掌を任されることはほとんどありません。
正規教員のように清掃指導や給食指導、放課後まで学校に縛られることは少なく、柔軟な働き方が可能です。


正規・常勤教員との違い
1. 職務範囲
- 正規・常勤:担任業務・行事・部活動・分掌を含め学校運営に全面参加。
- 非常勤:基本は授業指導のみ。保護者対応や進路指導はほぼなし。
2. 雇用の安定性
- 正規教員:定年まで地方公務員として雇用保障あり。
- 常勤講師:年度契約だが給与水準は正規と同等。
- 非常勤講師:年度ごとの更新制。雇用継続は配置状況次第。
3. 勤務時間
- 正規・常勤:週38時間45分+残業。長期休業中も勤務あり。
- 非常勤:授業時間のみ出勤。長期休業は基本的に勤務なしで無給。
4. 給与・手当
- 正規・常勤:月給制+手当(地域・扶養・教職調整額など)+ボーナス。
- 非常勤:コマ単価制。時給2,000〜3,500円程度が相場だが都道府県によって違う。市町村独自の採用もあり、自治体によって単価は違う。ボーナスは基本なし。
5. 社会保険
- 正規・常勤:共済組合加入。
- 非常勤:週20時間以上・2か月超の任用で社保加入可。条件を満たさない場合は国保+国民年金。国民年金だと将来もらえる年金額に大きな影響あり。
非常勤講師の収入シミュレーション
非常勤の収入は「どれだけコマ数を持つか」で決まります。代表的な例を示すと──
- 週10時間勤務:1日3〜4時間 週3日等
年収約130万円(月10〜11万円、手取り9〜10万)。
扶養内労働や副業兼業向き。 - 週15時間勤務:平日午前のみ勤務等
年収約200万円(月15〜18万円、手取り12〜15万)。
多くの非常勤はこのレンジ。 - 週20時間勤務:週3日午前のみ+週2日は昼過ぎまで勤務等
年収約230〜280万円(月20万円台半ば、手取り20万前後)。
条件次第で期末手当(ボーナス)も。
👉 平均的には年収200万円台前半〜中盤。フルタイムの正規や常勤と比べると生活水準は落ちるものの、週3日勤務や午前のみ勤務など、勤務時間の自由度は高いのが特徴です。

地域差と事例
- 東京都:年間の授業コマ数を月割で支給=夏休みも無給にならず、収入が安定しやすい。
- 宮城県:講師不足から時給3,360円と全国最高水準。
- 広島県:時給2,670円とやや低め。
- 大阪府池田市:市費採用で月給制・ボーナスあり・長期休業中も給与支給という“常勤に近い非常勤”制度。

自治体によって報酬単価や支給方法に差があるため、希望する地域の情報は要確認です。
非常勤講師という選択肢は現実的か?
非常勤講師は「働きやすさ」と「収入の不安定さ」を秤にかける働き方です。
- 向いているケース
- 単身で生活コストを抑えられる人。
- 資産収入(投資・不動産など)があり、非常勤収入を補える人。
- 扶養内で働きたい人(例:配偶者が正社員、年収130万円以内を狙う)。
- 正規採用試験を受けるまで繋ぎながら勉強時間を確保。
- 単身で生活コストを抑えられる人。
- 厳しいケース
- 家族持ちで住宅ローン・教育費がかかる人。
- 資産収入や副業収入が乏しく、非常勤の年収200万前後のみで生計を立てることが難しい人。
- 家族持ちで住宅ローン・教育費がかかる人。
サイドFIREとの親和性
実は非常勤講師は「サイドFIRE」と相性が良い働き方です。
- 学校現場に関わり続けられる安心感。
- フルタイムではないので資産運用や副業に時間を使える。
- 収入を補完することで資産の取り崩しを抑えられる。
正規教員で疲弊し「辞めたいけど異業種転職は怖い」という人にとって、教育の仕事を続けながら生活コストを調整できる選択肢になり得ます。
資産がいくらあれば非常勤講師でサイドFIREが可能なのかを検証した記事はこちら

まとめ
- 非常勤講師は授業専門の働き方で、正規教員より自由度が高い。
- ただし年収は100〜300万円と幅があり、安定性は低い。
- 家族持ちで資産が少ない場合は一本で生活するのは難しい。
- 資産収入や副業と組み合わせれば、サイドFIREやライフスタイルの再設計に活かせる。
正規教員の働き方に限界を感じながらも教育の現場に残りたい──。そんな先生にとって「非常勤講師」という選択肢は、逃げではなく新しい人生のスタートラインになり得るのではないでしょうか。私も2028年度末の退職、サイドFIREを目指して今後も情報を集めていきたいと思います。

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