【40代教員の退職カウントダウン123:退職まで残り3年2ヶ月】
はじめに
社会科の授業で、「地名や場所がなかなか子どもたちの頭に入らない」と感じたことはないでしょうか。
私はこれまで、20年以上小学校・中学校で社会科教員として働いてきました。
社会科を構成する要素は多岐にわたりますが、その土台に必ず必要なのが、地図を頭の中で思い描く力だと感じています。
たとえば――
- 関ヶ原がどのあたりにあるから、東西の軍が何度もぶつかったのか
- 対馬がどこにあるから、日本の「玄関口」となったのか
- 国や地域によってルールや価値観が違うのは、どんな場所に位置しているからなのか
こうした理解は、地名や位置関係が頭に入っているかどうかで、解像度が大きく変わります。
もし、地図や地名が「暗記」ではなく「楽しい活動」として、子どもたちの頭に入っていったら
そう思ったことはありませんか。
そこで今回紹介するのが、私が小学3年生から中学3年生まで、社会科の授業の開始5分で必ず取り組んできた「地名探しゲーム」です。

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。
この「授業で使えるちょっとした小ネタ」シリーズでは、20年以上の教員経験の中で「これは使える」「子どもの反応が明らかに違った」そんな小ネタを中心に紹介しています。
準備不要・5分でできる「地名探しゲーム」
このゲームは、はっきり言ってとてもシンプルです。
事前準備は一切不要。
必要なのは、地図帳だけです。
やることは一つ。教師が出題した地名を、地図帳の中から探す。それだけです。

実際の進め方①|世界地図編
私の社会科の授業では、授業開始の挨拶が終わると、子どもたちは自然と地図帳の全世界地図を開いて準備しています。
そこで、私が地名を一つだけ言います。
「アンタナナリボ(例)」
すると、子どもたちは一斉に地図帳を見始めます。

- 見つけた人から挙手
- 挙手した順に順位をつける
私はだいたい6位くらいまで順位を数えます。
人数が多すぎても時間がかかり、少なすぎても広がらない、このゲームには6人前後を数えるのがちょうどよいと感じています。
ヒントは「地図の見方」を意識して出す
途中で、必ずヒントを出します。
このときのヒントは、地図の見方そのものを意識したものにします。
たとえば――
- 日本から見て南西の方角
- 南半球にある
- 南北アメリカ大陸ではない
といった具合です。
単なる早押しゲームにせず、方位・大陸・位置関係に目が向くようにしています。
見つけた子が「教える側」になる仕組み
6位まで順位をつけたら、その6人にこう指示します。
「まだ見つけていない人に、場所を教えなさい」
教えてもらった子は、さらに別の子に教えます。
こうして、見つけた情報が教室全体に広がっていく流れをつくります。

その間に、最初に見つけた6人にご褒美シールを渡し、世界地図の余白に貼らせます。
時間に余裕がある授業では、出題した国や町の豆知識を少し紹介することもあります。
実際の進め方②|日本地図編
世界地図が終わると、子どもたちは次に日本地図を開いて待っています。
再び、私が地名を一つ言います。
「相馬市(例)」
流れは世界地図編と同じです。
ヒントも、
- 東京(※学校のある場所を基準にすると効果的)から見て北
- 東北地方にある
- 青森県ではない
など、位置関係を意識したものを出します。
6位までに見つけた子には、日本地図の余白にご褒美シールを貼らせます。
実際の進め方③|地方地図編
最後は、地方地図です。私は中部地方の教員なので、中部地方の地名探しを行っています。
学校の所在地に合わせて、どの地方でも応用できますし、学齢に合わせて市の地図や県の地図にしてもいいでしょう。

1年間続けると、確実に変わる
1年間の最後の社会科の授業では、貼ったシールの数をもとに、
- 世界地図名人
- 日本地図名人
- ○○地方地図名人
として表彰します。
たったこれだけですが、子どもたちは驚くほど本気になります。

なぜ、ここまで盛り上がるのか
やってみると分かりますが、こんなに単純なゲームなのに、とても盛り上がります。
子どもたちに理由を聞くと、多くがこう答えます。
「他の人が見つけられない地名を、一番に見つけたときが気持ちいい」
また、あまり知られていない地名を問題にすると、学力差がほとんど影響しません。
社会が苦手な子が活躍する場面も、たくさん生まれます。社会科が苦手な子が
「1時間全部、地名当てゲームだったら俺が大活躍なのになあ」と呟いていたこともありました。
続けることで身につく力
2か月ほど続けると、変化がはっきり見えてきます。
- 方位を自然に確認するようになる
- 地図上の位置関係を意識するようになる
- 有名都市の位置は、意識せずとも覚えている
やがて、県庁所在地やロンドン、ニューヨークや北京といった聞き馴染みのある地名は、簡単すぎて問題にできなくなります。
ヒントとして使っていた大陸名や地方名も、いつの間にか定着しています。
その結果、地理だけでなく、歴史や公民の理解度も確実に上がります。
この2冊は、私が社会科教師として買ってよかった地図の教材研究用の本です。楽しみながら地図の面白さに触れることができます。社会の教材研究としても、個人的な楽しみとしてもおすすめの本です。
おわりに
地図帳さえあれば、準備は不要。短時間で取り組めて、効果も高い。
「地名探しゲーム」は、社会科の授業の導入として、とても相性のよい小ネタです。
社会の授業の最初5分。ぜひ一度、取り入れてみてはいかがでしょうか。



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