授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ⑦「算数小話第2弾」

教師のお仕事

【40代教員の退職カウントダウン126:退職まで残り3年2ヶ月】


はじめに

算数や数学は、「嫌い」「苦手」と感じている子が多い教科だと感じます。

算数の時間が始まると、「算数か……」という小さなつぶやきが聞こえてくることもあります。

算数が苦手になる理由は、計算ができないからだけではありません。

算数が何の役に立つのか、面白さが見えにくいことも、大きな原因だと思います。

算数の時間が始まると、「算数か……」という小さなつぶやきが聞こえてくることも

そこで今回は、計算の速さ等に関係なく、算数の見方そのものを楽しめる小話を2つ紹介します。

どちらも、

  • 授業の導入
  • 単元の入り口
  • ちょっとした空き時間

に使える「算数小話」です。

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。

この「授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ」では、20年以上の教員経験の中で、実際に子どもの反応がよく、効果を感じてきた取り組みを紹介しています。


① あなたのご先祖様は、織田信長?

掴みの一言

「先生のご先祖様は、織田信長なんだよ。」

授業の最初に、子どもたちにこう言います。

「先生のご先祖様は、織田信長なんだよ。」

もちろん、すぐにツッコミが入ります。

  • 苗字が違う
  • 顔が似ていない
  • 本当なわけがない

そこで、間を取ってこう続けます。

「今日は、それを算数で証明します。」


家系図から考えてみよう

黒板に、簡単な家系図のような図を描きます。

  • 自分には両親が2人
  • 両親にも両親がいて、祖父母は4人

ここで確認します。

「血がつながっている人は、みんなご先祖様と言えるよね?」

子どもたちも納得します。

簡単な家系図のような図

世代をさかのぼる

次に、こう仮定します。

  • 昔は今より結婚や出産が早かったから、1世代を20年とする

すると、

  • 1世代前(20年前):2人
  • 2世代前(40年前):4人
  • 3世代前(60年前):8人

と、ご先祖様が倍々で増えていくことがわかります。


織田信長の時代までさかのぼる

織田信長は1534年生まれ。今からおよそ480年前です。

20年を1世代とすると、24世代前になります。(480÷20)

ここで計算します。2の24乗 = 16,777,216

つまり、理論上は約1,677万人。

※もちろん小学生には2の24乗がわかりにくいと思いますので、倍々ゲームのように電卓で24回2をかけるといいと思います。

ここで計算します。2の24乗 = 16,777,216

驚きの結論

戦国時代の日本の人口は、約1200万人だったと考えられています。

ここで、こうまとめます。

「算数的に考えると、当時の日本人は、ほぼ全員がご先祖様になるんだ。」

となると――

  • 織田信長
  • 豊臣秀吉
  • 武田信玄

も、理論上はみんなご先祖様ということになります。

もちろん、歴史的に正しい話ではありません。

しかし、算数的に考えると、こんな見え方もできるという点が、この小話の面白さです。


② 一年に一度しか会えない織姫と彦星は、本当に可哀想?

子どもたちのイメージ

七夕の話をすると、子どもたちはよくこう言います。

「一年に一度しか会えないなんて、可哀想。」

そこで、あえて問い返します。

「それって、本当に可哀想なのかな?」


星の寿命で考えてみる

織姫と彦星は、それぞれベガアルタイルという星です。

ここで、次のように仮定します。

  • 星の寿命:約10億年
  • 人間の寿命:約100年

つまり、星の時間は人間の1,000万倍です。これを算数の比の考え方で比べるのです。


時間感覚を計算する

では、星にとっての「1年」は、人間にとってどれくらいの時間でしょうか。

  • 人間の1年:約3,153万6,000秒
  • それを1,000万で割る

31536000÷10000000=約3.15秒


見え方が変わる瞬間

ここで、子どもたちにこう伝えます。

「人間にとっての“1年に1回”は、星にとっては、3秒に1回くらいなんだよ。」

すると、

  • 「めっちゃ会ってるじゃん」
  • 「それなら全然可哀想じゃない」
  • 「会いすぎて飽きそう」

といった声が上がります。

算数を楽しむ子どもたち

比で考える面白さ

最後に、こうまとめます。

「時間の長さは、何と比べるかで、全然ちがって見える。これも算数の大事な考え方だよ。」

七夕伝説を否定するための話ではありません。

比で考えると、世界の見え方が変わる!その面白さを伝える小話です。


おわりに|算数は「世界の見方」を増やしてくれる

今回紹介した2つの小話は、

  • 歴史
  • 物語
  • 日常の出来事

を、算数の視点で見直すものです。

算数は、世界を少し面白く見るための道具でもある

算数は、答えを速く出すためだけの教科ではありません。

算数は、世界を少し面白く見るための道具でもある。

そんな感覚を、子どもたちに感じてもらえたらと思っています。

歴史の授業に合わせたり、七夕の時期に合わせたりしながら、ぜひ活用してみてください。

授業はネタがたくさんあれば子どもたちを飽きさせません。今回紹介したネタも含めて色々なネタを授業の中で試してみてください。私が参考にしている本を紹介します。よろしければどうぞ!

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「授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ」

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授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ:まとめ

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