【40代教員の退職カウントダウン125:退職まで残り3年2ヶ月】
はじめに
算数や数学は、どうしても「苦手」「嫌い」と感じる子が多い教科です。
授業が始まると、「算数か……」という小さなつぶやきが聞こえてくることもあります。

算数が嫌いになる理由はさまざまですが、その多くは
「計算するのが大変」「意味がわからない」
と感じてしまうことにあるように思います。
そこで今回は、計算の上手さとは関係なく、算数や数字を「ちょっと面白い」と感じてもらうための小ネタを2つ紹介します。
どちらも、
- 授業の導入
- すき間時間
- 単元の最初や終わり
に使える、短い「算数小話」です。
私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。
この「授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ」では、20年以上の教員経験の中で、子どもの反応がよく、実際に効果を感じてきた取り組みを紹介しています。
① 142857は「奇跡の数字」
導入のしかた
授業の最初に、黒板に次の数字を書きます。
142857 そして、子どもたちにこう話します。
「算数の世界で、この142857は『奇跡の数字』って呼ばれているのを知っていますか?」
一見すると、何の変哲もない6桁の数字です。
この時点では、ほとんどの子が「?」という表情をします。
数字たちが“ダンス”を始める
続けて、計算を見せていきます。
(以前紹介したエレベーター計算として行うと、より効果的です。未実施の場合は電卓を使っても構いません。)
142857 × 1 = 142857
142857 × 2 = 285714
142857 × 3 = 428571
142857 × 4 = 571428
142857 × 5 = 714285
142857 × 6 = 857142
ここで、すぐに答えを説明しません。代わりに、こう問いかけます。
「答えをよく見てみて。何か気づくことはないかな?」
しばらくすると、
「使われている数字が同じ!」
「順番がずれてるだけ!」
「数字の並びは変わってないよ!」
と気づく子が出てきます。
種明かし
どの答えも、
1・4・2・8・5・7
という同じ数字が、順番を保ったまま、くるくると入れ替わっているのです。
私はここで、こんな言い方をします。
「この数字は、順番を守りながらダンスしているみたいだね。」

この不思議な性質をもつ数を、数学の世界では「巡回数(ダイヤル数)」と呼ぶそうです。
※授業では、名前を覚えさせる必要はありません。
さらに驚きを
ここで、もう一つ問いかけます。
「じゃあ、7をかけたらどうなると思う?」
少し予想させてから、計算します。
142857 × 7 = 999999
それまでの流れが嘘のように、
9がきれいに並ぶことに、教室がざわつきます。
まだ続く不思議
さらに、こんなことも紹介します。
- 半分に分けて足す 142 + 857 = 999
- 2桁ずつに分けて足す 14 + 28 + 57 = 99
どこを切り取っても、最後は「9」。数字の世界の不思議さに、子どもたちは自然と引き込まれていきます。
② 新幹線の座席は「優しさ」から生まれている
問いかけ
次に紹介するのは、日常生活の中にある算数の話です。
新幹線の座席の写真やイラストを見せて、子どもたちに問います。

「なぜ新幹線の座席は、通路をはさんで2列と3列に分かれているんだろう?」
正解を知っている子がいても、「まだ内緒ね」と伝えて、まずは予想させます。
子どもたちの予想
これまでの経験では、
- 重心のバランスがいいから
- スピードが出るから
- 安定するから
といった意見が多く出ます。ただ、私の経験では、小学生でも中学生でも、正解を知っている子はほとんどいません。
ヒントを出す
ここで、ヒントを一つ出します。
「この座席の配置は、ある“優しさ”から考えられています。修学旅行や友達とのグループ旅行を思い出してみましょう。」
さらに、
「もし、一人だけ離れた席になったら、どう感じるかな?」
と問いかけます。
答えに近づく
ここで、
- 2人
- 3人
- 4人
- 5人
といった人数で、この5列のシートに「どう座るか」を少し考えさせます。
すべて考えさせる必要はありません。2〜3パターンで十分です。
すると、多くの子が気づきます。
「どんな人数で旅行に行っても、一人にならないようにしてるんだ!」
まとめ
新幹線の座席は、複数人数の移動の際、一人席が生まれないように設計されています。
二人なら2列シート、三人なら3列シート、五人なら2列と3列シート、七人なら3列シートと2列シート2つ・・・
私は最後に、こう伝えます。
「こういう工夫も、算数や数学の『数の考え方』を使って作られているんだよ。算数は、テストのためだけじゃなく、私たちの生活のあちこちで使われているんだ。」
おわりに|算数は「驚き」から始まる
算数や数学を、「問題を解く訓練」だけで終わらせてしまうと、どうしても苦手意識が残ってしまいます。
しかし、
- 不思議な数字
- 身近な生活の中の工夫
に触れることで、
「算数って、ちょっと面白いかも」
という気持ちが生まれます。
その小さな驚きや発見が、子どもの算数への知的好奇心を動かす最初の一歩になるかもしれません。

授業はネタがたくさんあれば子どもたちを飽きさせません。今回紹介したネタも含めて色々なネタを授業の中で試してみてください。私が参考にしている本を紹介します。よろしければどうぞ!


コメント