教員のための「貯める力」入門 ― 生活満足度を落とさず、毎月5万円をひねり出す方法

教員の資産形成

【40代教員の退職カウントダウン64:退職まで残り3年5ヶ月】

はじめに

投資の大切さはわかった。でも投資に回すお金がない

これは投資に興味を持った先生方に共通する悩みです。

物価上昇、上がらない給料、日々の生活の中で使えるお金も限られるなかで、「投資で増やせ」と言われても現実味がありませんよね。

だからこそ、もし投資や資産の拡大に興味を持ったなら最初にやるべきは、投資に回すための資金づくり、つまり『貯める力』を育てることです。

私は40代小学校教務主任(担任兼務)、現在は3500万円を超える資産を持っており、その資産を生活のベースに2028年度末に正規教員を退職するつもりです。
(私の資産の内訳はこちらの記事で公開しています→「⚪︎⚪︎万円あればサイドFIREは可能?!」

もちろん私も、投資のみで資産を拡大してきたわけではありません。初めは自分の『貯める力』を育てて投資に回す種銭を生み出してきました。

今回の記事では、私自身が実践してきた「生活満足度を損なわずに、毎月の投資のための5万円の余剰資金を生み出す方法」について共有したいと思います。


『貯める力』の基本は支出を減らすこと

教員の給与は安定している一方で、急激に上がることはあまり期待できません。

しかもこれからは社会保険料の負担増や年金の減少が予想されます。また近年は物価上昇が続き、実質賃金の減少も続いています。【なぜ今インフレ?教員こそ資産運用を考えるべき理由

副業が認められていない我々が、余剰資金を生み出すには結局今ある支出を見直し、減らすしかありません。

支出を減らし、資産運用に回せば家計における純金融資産は増えていきます。増えていくその数字を見ると将来の不安や、今の仕事にしがみつかなくても何とかなるなという気持ちが生まれてきます。

支出を減らすことは単なる節約ではなく、先生自身の心の余裕を取り戻す行動につながります。


教員がやりがちな“非効率な節約”

  • 電気をこまめに消す

  • 家計簿をつける

  • スーパーの特売日をハシゴする

  • 冷暖房を使わず我慢する
節約疲れする人

支出を下げる、節約するというと最初に思い浮かぶのがこのような例ではないでしょうか。もちろん悪いことではありませんが、労力のわりに成果は小さいのが現実です。
また、我々はもともとストレスの多い仕事をしているのに、そこに生活のストレスを加えるのは良くありません

重要なのは、ストレスなく節約するために

  1. 一度見直せば効果が続く“固定費”から
  2. 金額の大きいものから順に

この2つです。


人生の6大固定費 ― 先生も見直せるポイント

そこで先生方に見直していただきたいのが、人生の6大固定費です

どれも金額が大きいものばかりで、見直しに成功すれば大きな節約効果が見込めます

  • 通信費(スマホ・ネット回線)
  • サブスク(アプリ・動画配信など)
  • 保険(生命・医療・自動車)
  • 住居(家賃・住宅ローン)
  • (購入・維持費)
  • 税金(控除や制度活用で“実質削減”)
6大固定費を見直そう


例1:保険

私も妻も昔は生命保険や医療費保険に加入していました。しかし、公務員は公的保障の厚さをしっかり学び、病気や怪我をした時、どちらかが死亡したときに必要なお金を冷静に計算しました。

その結果、掛け捨て生命保険・火災保険・自動車の対人対物だけで十分だと結論づけ、いらない保険を解約しました。これで月々の支払いは夫婦2人で2万円ほど浮きました。

繰り返しになりますが、公務員の公的保険は高額の社会保険料を支払っている分、本当に手厚いです。これに加えて過剰な保険に入り多くの保険料支払っている先生はとても多いです。
「教員の天引きはどんな保障に?【社会保障の実際】」

社会保険に伴う社会保障

例2:通信費

我が家はもともと家族4人ともソフトバンクで契約しており、当時の通信費は月に2万円から多い月で3万円ほどかかっていました。

しかし、固定費見直しで格安SIMに変更、合わせて家のWi-Fi契約もソフトバンクから見直しをしました。現在では4人家族で月1万円弱です。 年間12万円以上の節約です。

ちなみに格安SIMに変えて何年も経ちますが、今のところ困ったことは一つもありません。

通信費の見直し

例3:住居

家賃交渉をできないと思っている先生も多いですが、そんなことはありません。家賃交渉で月1万円減れば、年12万円です。

また、住宅を購入し住宅ローンを支払っている先生も多いと思いますが、住宅ローン金利の見直しや借り換えで支払額を減らすこともできます。

私はUFJ銀行に住宅ローンを借りていますが、他行への借り換えの検討を話題に出しつつ金利交渉をしたところ、月々のローン支払いが8000円ほど安くなりましたこれで年間10万円近くの節約です。

例4:車

車は購入費用のみならず、維持費にとてもお金がかかります。都市部なら手放すことも検討してもいいかもしれません。

まず私が手をつけたのは保険の見直しです。父親の代から付き合いのあった東京海上日動の自動車保険からネットの自動車保険に切り替えました。これで月々7000円ほどの節約です。

初めはネット損保は不安でしたが、恥ずかしながら実際に事故を起こしてしまった時は何の問題もなく対応してくれて安心しました。

また、私は地方都市なので車が必須でしたので、思い切って当時補助金が多く出ていた電気自動車の購入に踏み切りました。

電気自動車

もちろん電気自動車は万人にお勧めできる車ではありませんが、ガソリン代が高騰する中、我が家は燃料費が月々2000円程度で済んでいます。
また電気自動車は税金や車検代が安く済みます。正確な数字を出すことは難しいですが、ランニングコストが普通車より抑えられていると思います。

例5:税金

公務員にできる節税には限りがあります。我が家は数年前から毎年ふるさと納税を行なっています。ふるさと納税についてはこちらの記事から
【やらない理由が見つからない!教員こそふるさと納税を活用しよう】

私の場合、ふるさと納税をうなぎや帆立などの贅沢品に使うのではなく、米を中心に日用品に活用しています。実際この米価高騰の折り、我が家はほとんどお米を購入していません。
また、トイレットペーパーや洗剤なども購入しなくて済んでいます。そういう意味で月々5000円ほどの節約効果はあると思います。

ふるさと納税の活用

例6:サブスク

使っていないサブスクや勢いで入ってしまったサブスクはありませんか?

特に動画系サブスクは複数入っていても見切れるものではありません。また、携帯アプリの中には入ったことを忘れたまま使用していないものもあるかもしれません。月数百円だからと解約を見過ごしているものもありませんか?

私は見直しの際に、ネットフリックス(Amazonプライムで十分と判断)、お天気アプリ(ネットの天気予報で十分)、ヤクルトの宅配(必要な分をAmazonで購入、そもそも必要か?)などを見直し月に数千円の支出を見直しました。

固定費見直しのまとめ

我が家が数年前に行った支出の見直しを、金額の大きい順に紹介しましたが、

保険2万円+通信費1万円+住宅費8000円+自動車7000円+節税5000円+サブスク3000円
として、月額5万円以上の見直しの成功
し、これらの資金を投資に回すところから資産形成をスタートしました。

しかもこの支出の見直しは、見直し時こそ大変でしたが、その後は生活満足度を押し下げる要素はほとんどなくストレスフリーに続けることができます。

私はその後の資産拡大が楽しくなり、自分の娯楽費等もだんだん投資に向けるようになり現在の3500万円という資産を形成しました。


浮いたお金の使い道

  1. 生活防衛資金(生活費3〜6か月分)を確保

     → 病気で収入が減っても安心。
  2. 余剰分をインデックス投資に回す

     → 詳細は▶︎【インデックス投資とは?投資初心者の教員にもおすすめの理由を徹底解説】

まとめ

  • 先生にとって一番再現性が高いのは「固定費の見直し」
  • 満足度を下げずに月5万円は十分に作れる
  • 貯める力が身につけば、時間の余裕もお金の余裕も増えていく

毎日忙しい先生だからこそ、「頑張らなくても勝手にお金が貯まる仕組み」を整えることが大切です。その仕組みづくりの第一歩が「貯める力」なのです。

次回から、貯める力シリーズとして人生の6代固定費について、もう少し深掘りしていこうと思います。

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