【40代小学校教員の退職カウントダウン44:退職までのこり3年6ヶ月】
はじめに
もう教師辞めたい、、、そう思いながら気力を振り絞って仕事をしていませんか?
今やブラック労働の代名詞となってしまった学校現場。心身共に追い詰められ、文字通り命懸けで出勤している先生も少なくありません。
今日はそんな先生方に読んでいただきたい小説を紹介します。
「こんなに忙しいのに小説を読む時間なんてない」と思われるかもしれません。
けれど、私自身がこの本を読んで「読むタイミングによっては、この小説に救われる先生が大勢いるだろう」と強く感じました。実際に私は多くの職場仲間や友人、身内にすすめましたが、同じように共感し、前を向けたという人が何人もいました。
今回は、教員にこそ読んでほしい一冊──『ちょっと今から仕事辞めてくる』を紹介します。
私は40代小学校教務主任(担任兼務)、そして2028年度末に「ちょっと仕事辞めてくる」予定の人間です。

『ちょっと今から仕事辞めてくる』のあらすじ
新卒でようやく就職先が決まった主人公・青山隆。胸を弾ませて始めた社会人生活でしたが、待っていたのは想像を超える過酷な労働環境でした。
毎日のように続く長時間労働、上司から浴びせられる厳しい叱責、休日も心休まらない日々。朝から晩まで働いても成果は認められず、少しの失敗で人格を否定される。
気づけば、彼の心は次第に追い詰められ、「もう逃げ場はない」と感じるようになっていきます。
そしてある日、ついに隆は限界を迎えます。会社帰りの駅のホーム、線路に身を投げようとします。

しかしその瞬間、彼の腕をつかみ引き上げた人物がいました。偶然のように現れたその存在は、自分のことを「隆の同級生のヤマモト」と名乗り、隆に居酒屋へ行こうと声をかけます。
戸惑いながらも共に酒を酌み交わすうちに、隆は久しぶりに人と心から話す時間を得ます。重く閉ざされていた胸の内が少しずつほどけていく感覚──その出会いは、彼の人生を変える大きなきっかけとなるのでした。

その後も二人は何度も顔を合わせ、語り合う時間を重ねていきます。隆は、自分の苦しみを受け止めてくれる存在がいることに驚きながらも、次第に「まだやり直せるのかもしれない」と思えるようになります。
しかし同時に、彼の心には疑問も芽生えていきます。なぜ彼は突然現れたのか、本当に偶然なのか、本当に彼は「ヤマモト」なのか──。その謎めいた存在が何者なのかは、物語が進むにつれて少しずつ明らかになっていきます。
仕事では再び大きな失敗をし、自信を失い、何度も心が折れそうになります。それでも彼のそばには、不思議なほどに支えてくれる人がいる。その言葉に励まされながら、隆は自分自身と向き合い、「生きることの意味」を考え始め、ヤマモトにこう言います。
「ちょっと今から仕事やめてくる」
なぜ先生方におすすめしたいのか
『ちょっと今から仕事辞めてくる』は一見、会社員の物語です。しかし、教員にとっても決して他人事ではありません。
- 授業準備、行事、会議、膨大な書類
- 努力しても報われない
- 保護者からのクレーム
- 自分のミスや休みで同僚に迷惑をかけてしまうのではという罪悪感
これらはまさに学校現場でも日常的に起こっていることです。だからこそ、先生方は主人公の苦しみや葛藤に強く共感できるはずです。
けれどこの物語は「つらさを描くだけ」で終わりません。
主人公の隆は「仕事を辞める」という結論を出しますが、本質はそこではなく「前を向いて生きる」というところにあります。人との出会いや言葉の力で、追い詰められた主人公が少しずつ前を向いていく姿は、読む人に確実に光を届けてくれます。
読後に感じるのは、単なる絶望ではなく「生きていこう」という清涼感。
これは、毎日仕事に追われる先生方にとって心強い支えになるはずです。

続編『ちょっと今から人生変えてくる』の魅力

前作だけでも十分に心に響きますが、続編を読むとさらに深みが増します。
続編の主役は、前作で主人公を追い詰める存在として登場した先輩社員・五十嵐です。
職場では高圧的で嫌な先輩として描かれていた彼。しかし本作では、五十嵐自身もまたブラックな労働環境に苦しみ、心身をすり減らしていたことが描かれます。
そんな彼を救ったのも、再び現れた「ヤマモト」。
部下を叱責する一方で、自分も不安と葛藤を抱える五十嵐の姿は、「立場が違えば見える景色も違う」という当たり前のことを改めて教えてくれます。
この続編を読むと、人間や働くことの本質により深く迫ることができます。
先生方にとっても「自分は生徒や同僚にとってどう映っているのか」と省みるきっかけになるでしょう。
まとめ
『ちょっと今から仕事辞めてくる』は、ブラック労働に苦しむ人の心に寄り添い、希望を灯してくれる物語です。
- 教員の置かれている現実と重なる部分が多い
- 読後に前向きになれる清涼感がある
- 続編を読むことでより深い気づきが得られる
「もう限界かもしれない」──そんな思いに押しつぶされそうな先生にこそ、この本を手に取ってほしいです。

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