HOW TO 教員の恋愛シリーズ⑦ 年上の子連れ女性と“父になる覚悟”を決めた若手の恋

教師のお仕事

【40代教員の退職カウントダウン112:退職まで残り3年3ヶ月】


■ はじめに

教員の世界で起きる恋愛は、意外と複雑でドラマチックです。

今回紹介するのは——

「結婚=いきなり小学3年生の父親になる」という決断をした若手男性教員の恋愛」

20年以上教員をしてきた私の目から見ても、純粋で、やや拙くて、でもどこか応援したくなる物語でした。

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。
※詳しくはこちら → 【私が退職しようと決意した具体的経緯


■ 登場人物

● 松村先生(26歳/仮名)

松村先生(26歳/仮名)

大卒後すぐ講師→年度途中に補欠採用で“9月新任”という異例のスタート。

仕事はまだ不慣れで頼りないところもあるが、PCスキルは学校一。

そして——驚異のメンタルの持ち主。冷静沈着であまり動揺しない。

● 青野先生(31歳/仮名)

青野先生(31歳/仮名)

常勤講師7年目。

学生時代に子どもを授かり、シングルマザーとして小学3年生の娘を育てながら働く。

明るいが、自分の教師としての力に自信が持てないタイプ。


■ 二人の出会いは“学年を組んだこと”から

2024年、私が赴任してきた年。

小さな学校で、3年生だけが2クラス、残りの学年は1クラスという編成。

そこで松村先生と青野先生は、同じ学年を組むことになりました。

校長の意図はこうでした。

「青野先生に“若手を支える経験”を積ませ、自信を持ってほしい」

しかしその目論見は、数ヶ月で別の方向へ進んでいきます。


■ シングルマザーの苦しさと、若手の静かな支え

青野先生は、実家の支援があるとはいえ、旗当番とPTA行事と育児とプリント作りと学級経営を同時に抱える日々。

娘さんの不登校傾向も始まり、精神的に限界に近づいていました。

そんな彼女を支えたのは——まさかの新任、松村先生。

忙しさで余裕なんて無かったはずなのに、

  • 「大丈夫ですよ」
  • 「僕がやっておきます」
  • 「ゆっくりしててください」

そんな言葉を、静かに、淡々と、何度でもかけ続けていたのです。

ある日、教室で泣いている青野先生を松村先生が慰めている姿を、数名が目撃。

教室で泣いている青野先生を松村先生が慰めている姿

その後、体育館裏で手をつないで座っていたという証言も。

放課後の戸締まりは必ず二人セット。

いつのまにか、職員室の先生たちは笑いながらこう言っていました。

「あの二人、もう夫婦みたいだよね」

そして2学期の終わりには——二人の関係は全教員の“公然の秘密”へと進化していきました。


■ 職員室の“心配会議”

誰もが祝福ムードだった一方で、こんな不安もありました。

  • 「松村先生、まだ26歳だぞ…」
  • 「娘さんにどう思われるかな」
  • 「子連れの再婚って簡単じゃないよね」

職員室では、二人がいない時に“非公式会議”が何度も開かれました。(教師は人間。噂話は好きなのです。)

二人がいない時に“非公式会議”が何度も開かれました

ベテランの1人が思い切って、こんな直球質問をしたこともあります。

「二人、付き合ってるよね?」

しかし松村先生から返ってきた答えは、「仲がいいだけです」

……全員ずっこけました。


■ 事件:養護教諭転入による“大波乱”

翌年、新任の若い養護教諭が転入。席が近かった松村先生と仲良く会話するように。

その様子を見た青野先生——

教科書をデスクに叩きつけ、無言で職員室を出ていく。

その瞬間の静寂は、後にも先にもあれだけでした。

ここで誰もが確信します。

「あ、これは“本物”の恋だ…」

教科書をデスクに叩きつけ、無言で職員室を出ていく

■ そして10月、ついに“あの日”が来る

2学期の管理職面談で松村先生は校長に二人の関係を報告。

「結婚を前提にお付き合いしています」

その夜、職員室で村松先生からその場にいる先生に発表がありました。

だが——すでに全員が知っていました。

隠すのが下手すぎる二人に、職員室は温かい拍手と笑いに包まれました。


■ 26歳、父になる覚悟

驚いたのはその後です。

  • 松村先生、娘さんにはまだ1回しか会ったことがない
  • それでも冬休みに3人でディズニーへ行く予定
  • ディズニーの次は、青野先生の実家へ挨拶

普通なら震えるような流れですが、松村先生は相変わらずの“動じない男”。

このあたりが、青野先生にとっては最高の安定材料なのかもしれません。

冬休みに3人でディズニーへ行く予定

■ エンディング:周囲は祝福と少しの心配と

2年ほどお付き合いを続け、結婚も視野に入れた二人。

周囲が騒がしく見守ってきた恋は、少しずつ、大人の道へ進んでいる最中です。

私はこれからも、そっと見守りたいと思っています。


■ おわりに

教員の恋愛は、閉じられた環境だからこそ、時に濃くて、時に不器用です。

松村先生と青野先生のように、

  • ゆっくり育つ恋
  • 不器用だけど誠実な恋
  • 誰かの親になる覚悟をもって進む恋

そんな物語が職員室の片隅には確かに存在しています。

さて、次回からは——

人の道から外れた恋愛編をお届けします。22年も教員をしていると、いろいろあります。

どうぞお楽しみに。

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