教員の転職を考える|教員免許が有利に働く転職先とは?

教員の転・退職

【40代教員の退職カウントダウン56:退職まで残り3年6ヶ月】

はじめに

教師から転職するのは難しい

多くの先生がそう感じているのではないでしょうか。前回の記事でも教員の転職の難しさを整理しました。前回の記事はこちら
「HOW TO 教員の転職 〜転職エージェントに聞いたリアル事情と成功のヒント〜」

ただ、せっかく大学時代に努力して取得した教員免許。

「これを何とか活かして転職できないか」と考える先生も少なくないと思います。
私の妻も転職する際には教員免許の活用ができないか転職エージェントに相談していました。

そこで今回は、私の登録する転職サイトの情報と、妻の転職時の経験を元に教員免許が有利に働く転職先について整理してみました。

以前の記事からお伝えしていますが、転職にはリスクはありますが、転職活動にはリスクはありません。私自身もいくつかの転職サイトに登録しており、自分の市場価値を確認しています。
この記事が転職を悩む先生方が、教員の転職市場価値を知る一助になれば幸いです。

私は40代小学校教務主任(担任兼務)、2028年度末に正規教員を退職予定です。


正直なところ、教員免許は転職で有利?

結論から言うと、教員免許は教育業界以外では活かしにくい資格です。

例えば調理師免許や管理栄養士免許がその道のプロに必要とされるように、教員免許も「教師」という専門職に直結しています。
教育現場では強い武器になりますが、業界を離れると一気に活用の場が少なくなるのが現実です。

とはいえ、「せっかく持っているのだから活かしたい」というのが人情。そこで、教員免許を役立てやすい職種を紹介します。


教員免許が活かせる仕事① 教師・講師

やはり最も活かせるのは「教師そのもの」です。

  • 別の自治体で採用試験を受け直す

  • 公立から私立へ、あるいは私立から公立へ移る

  • 小学校から中学校へ、またはその逆へと学校種を変える

  • 常勤講師から非常勤講師へ切り替え、他のことと両立する

こうした「異動」に近い形も、立派な転職の一つ。

新しい環境で働くことで、自分の経験や免許を無理なく活かすことができます。

私自身、2028年度末に退職後は教員免許を活かして、常勤講師をやりながら全国を漫遊するプランを立てています。詳しくはこちらの記事。
「40代教員の退職後プラン|常勤講師で全国を旅する漫遊計画」

最近では、オンライン高校や通信制の学校での採用も増えており、ICTに抵抗がなければ給与水準を保ちながら新しい働き方に挑戦することも可能です。

また私の知人には、公立教員から私立の名門小学校に転職し、年収を倍増させた先生がいます。


教員免許が活かせる仕事② 塾講師・家庭教師

学校現場からの転職で最も多いのが塾講師や家庭教師です。

学校の教師は「生徒指導」が中心ですが、塾や家庭教師は「教科指導」がメイン。結果がすべての世界なので、教科力や進路指導力が問われます。

  • 集団指導か、個別指導か
  • 得意教科を伸ばすのか、幅広く教えるのか

これによって求められるスキルが変わります。

また、経験を積めば独立・開業という道も見えてきます。

ただし、私の登録している転職サイトの塾講師や家庭教師派遣会社への転職情報を見ると、ほとんどの場合年収が上がることはなさそうです


教員免許が活かせる仕事③ 教材会社・EdTech企業など

直接免許が必要なわけではありませんが、「教師としての経験」が評価される仕事です。

  • 学習教材の販売会社(営業・事務)

  • 教育関連企業の営業や商品開発

  • リカレント教育(社会人の学び直し)に関わる講師

  • EdTech企業(教育×IT)の総合職

ただし注意点もあります。多くの場合「未経験扱い」となり、年収は下がる傾向にあります
②同様、教師時代の給与水準を維持したい方にはハードルが高いかもしれません。

しかし、現場経験を持っている人材は企業にとっても貴重です。
先日私の職場に来たEd Techの営業マンが、元教員でした。我々の仕事や困りごとがわかってもらえるので、非常に相談がしやすかったです。

「ペーパー免許」ではなく、数年間でも教師として勤務していた経験があれば歓迎される可能性は高いでしょう。


教員免許が活かせる仕事④ 放課後デイサービス・発達支援施設

特別支援教育や発達障害児支援の経験を持つ先生にとって、放課後等デイサービスや発達支援施設で働く道は非常に現実的です。

ここでの仕事は 「学習」だけでなく「生活支援」や「社会性の育成」 が大きな柱になります。
学校現場では生徒指導や授業運営に追われますが、放課後デイでは少人数を対象に、一人ひとりの特性に寄り添った支援が可能です。

私の妻が個人事業を立ち上げる前のステップとして最初に選んだのが発達支援施設の職員で、その際は教員免許と教員経験が評価されての正規採用に繋がりました
HOW TO 教員の転職〜でろりんの妻の場合〜

近年は施設数が増加し、求人も安定して多い分野です。
経験を積めば管理者や児童発達支援管理責任者といったポジションを目指すこともでき、専門性を深めながらキャリアアップも可能です。

発達支援施設で子どもと遊ぶ若者

まとめ

今回紹介した「教員免許が有利に働く転職先」を、ハードルが低い順に並べると次のようになります。

  1. 別の学校へ移動(自治体・学校種の変更、常勤⇄非常勤の切り替え)
  2. 家庭教師
  3. 塾講師
  4. 発達支援施設の職員
  5. 塾長・スクール長など独立開業
  6. 教育関連企業(営業・事務・商品開発・講師)

正確には「転職」と呼べないものもありますが、教師の経験や免許を最大限活かす道としては現実的な選択肢です。

また、転職準備は情報量とノウハウがカギ。転職エージェントなどプロの力を借りることも強くおすすめします。相談は無料でできるところが多いので、一人で抱え込むよりも効率的に進められますよ。

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