【40代教員の退職カウントダウン139:退職まで残り3年1ヶ月】
はじめに
今回は、私が教員5年目に取り組んだ図画工作(人物画)の実践を紹介します。
研究論文としてまとめたものですが、あらためて振り返ると、
「低学年の図工でつまずきやすいポイント」
「子どもが自信を持つきっかけ」
がたくさん詰まっており、改めて修正しながら実践すればより良いものとなりそうだと感じました。
これから低学年を担任される先生や、「人物画、どう指導すればいいの?」と悩んでいる先生の参考になれば幸いです。
私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。
※詳しくはこちら → 【私が退職しようと決意した具体的経緯】
なぜ「人物画」をテーマにしたのか
私の当時の学級(2年生・31名)は、絵を描くこと自体は好きな子が多い学級でした。
しかし、実際の作品を見ると、こんな特徴が目立ちました。
- 頭が極端に大きい
- 目が黒目だけで異常に大きい
- 胴体の途中から手が生えている
- 首がほとんど描かれない
いわゆる幼児期の人物表現が多く残っていたのです。

人物の絵は、図工や夏休みの課題、生活科・総合、説明用イラストなど、これから何度も描くことになります。
「人物を描く基本が身についていないまま学年が上がると、“描けない→嫌い”につながるのではないか」
そう考え、人物画を通して基礎的な表現力を育てたいと考え実践に取り組みました。

私が大切にした3つの考え方
① ただ描かせない。「部分→作品」の流れをつくる
「たくさん描けば上手くなる」
…それだけでは、低学年には難しいと感じました。
そこで、先に部分練習→作品づくりという流れを意識しました。
② 前の学びが「次の作品で使える」ようにする
毎回リセットするのではなく、1学期で学んだことを2学期の作品で使う。3学期でさらに発展させるという積み上げ型の構成にしました。
③ 「上手になった」と子ども自身が感じられること
教師の評価よりも、
「前より描けた!」
「なんか人っぽくなった!」
この実感を何より大切にしました。

【1学期】顔から始める人物画 ― 自画像の実践
実践①:自分の顔をよく見る
まず取り組んだのは自画像です。
いきなり描かせるのではなく、顔の輪郭、目・鼻・口・耳を紙で用意し、福笑いのように並べる活動を行いました。
さらに、手鏡を持って「目は顔のどの辺?」「鼻って意外と大きいね」と観察→確認→表現を繰り返しました。

成果
- 顔が縦長であること
- 目と鼻の位置関係
- 首が意外と太いこと
を、知識としてだけでなく描く経験として理解できました。
【2学期】胴体とバランスに注目 ― 運動会の絵
実践②:首と肩幅を意識する
運動会の思い出を描く前に、「首が細すぎると、顔が大きく見える」という問題に取り組みました。
細い首・太い首、肩幅のない胴体・肩幅のある胴体を用意し、実際につなげて比べる活動を行いました。
体全体のバランスのよさを体感させることが目的です。


成果
- 肩を意識して描く子が増えた
- 腕が胴体の途中から生える表現が減った
- 動きのある腕の表現が増えた
想像以上の効果がありました。
【2学期後半】全身のバランスへ
実践③:体全体を知る
社会見学後の思い出を描く作品では、
- 大きな紙に子どもを寝かせ
- 体の輪郭をなぞる
活動を行いました。
ただし、この活動を教師主導で行ったため、腕や足の太さ・長さ まで意識が広がらなかった点は反省点です。
👉 「自分でやる」活動でないと、定着しにくい
という学びを得ました。

【3学期】構図と遠近感に挑戦
実践④:重なりと遠近感を意識する
最後は、自分と友だち、人物を複数描く構図に挑戦しました。
顔の大きさを変えたり、重なりを入れることで、自然と遠近感が生まれました。

実践を通して感じたこと
1年間の実践を終えたアンケートでは、31人中30人が「絵を描くのが好き」と答えました。
「1年生の時は嫌いだったけど、今は好きになった」や「本物みたいに描けるようになって楽しい」という声も聞かれました。
「絵が上手になった」「人の絵が本物みたいに描けるようになった」という自己評価が出てきたことが、何よりの成果だと考えています。
今後の課題 ― 技能と表現のバランス
一方で、課題も残りました。
- 表情が硬い
- 無表情な人物が多い
技法を意識させすぎたことで、のびのび描く楽しさを抑えてしまった部分もあったと感じています。
👉 技能
👉 表現の自由さ
このバランスをどう取るかが、課題です。以下の書籍を参考にしました。子どもたちが楽しめる図工の授業を共に目指しましょう!



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