授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ⑩ 歴史が一気に身近になる「おもしろネタ」集

教師のお仕事

【40代教員の退職カウントダウン131:退職まで残り3年2ヶ月】


はじめに|歴史が苦手な子が前のめりになる瞬間

社会科の歴史学習は、子どもたちの好き嫌いがはっきり分かれる分野です。

物語のように楽しめる子もいれば、「覚えることが多そう」「難しそう」と、授業が始まる前から身構えてしまう子も少なくありません。

特に小学生にとっては、自分の生活とかけ離れていると感じやすいのが歴史です。

そこで今回は、

「え、そんな昔からそれあるの?」

「昔の人、今と変わらないじゃん」

と、子どもたちの反応が一気に変わる 歴史の小ネタ を紹介します。

各単元の導入や、授業中に「今日は反応が鈍いな」と感じたときに、5分ほどで使える話題です。

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。

この「授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ」では、20年以上の教員経験の中で、子どもの反応がよく、実際に効果を感じた取り組みを紹介しています。

小ネタ①|古代人も猫を愛していた?肉球つき土器の話

最初の小ネタは、土器についた猫の肉球です。

土器についた猫の肉球

写真を見ると気づくのですが、土器の表面に、はっきりと猫の足跡が残っています。

これは須恵器と呼ばれる土器で、西暦600年ごろの古墳から出土したものだそうです。

人類が猫と一緒に暮らし始めたのは、約1万年前と言われています。

ただし、最初から「ペット」として飼っていたわけではありません。

  • 人類が農耕を始める
  • 穀物を保存する
  • ネズミが集まる
  • ネズミを狙って野生のヤマネコが近づく
  • 人間「追い払わない」
  • 猫「ここ、住みやすい」

こうして、人と猫のゆるやかな共存が始まったと考えられています。

今でも、コンクリートが固まる前に猫の足跡がついたのを、あえて消さずに残す人がいますよね。

古墳時代の人たちも、作った土器に猫がいたずらをしてついた足跡を見てニヤっとしていたのではないでしょうか。

足跡がついた土器をそのまま窯に入れる猫好きさんの気持ち、共感できる子どもは多いと思います。

コンクリートが固まる前に猫の足跡がついたのを、あえて消さずに残す人

小ネタ②|今も奈良時代も変わらない?愚痴と落書きだらけの木簡

会社員が上司の愚痴を言う。年頃の男子がくだらない話で盛り上がる。

こうした光景は、現代特有のものではありません。

その証拠が、木簡です。

木簡

木簡とは、紙が貴重だった時代に、連絡文書や記録として使われた短冊状の木の板のことです。

奈良時代のものを中心に、日本各地から大量に出土しています。

そして、その中には——

仕事の愚痴、上司への不満、内容と全く関係のない落書きなどが書かれたものも数多く見つかっています。

「メシがまずい」

「⚪︎⚪︎は偉そうなことばかり言って遅刻する」

「(授業ではとても言えないような大人のネタ)」などなど

つまり、

  • 仕事は昔も今もストレス
  • つい誰かに愚痴りたくなる
  • 男子は昔も今もくだらない話が好き

ということです。奈良時代の人たちが、急にぐっと身近な存在に感じられる小ネタです。

上司の愚痴を言う。年頃の男子がくだらない話で盛り上がる

小ネタ③|個性爆発!戦国時代のカブト事情

戦国時代は、子どもたちにも人気の高い時代です。

アニメやゲームの影響もあり、イメージがしやすいのかもしれません。

江戸時代の武士というと、質実剛健・地味・我慢強いといった印象があります。

しかし、戦国時代は完全な実力社会

生き残るためには、とにかく目立つ必要がありました。

実際の兜を見ると、

  • うさぎの耳のような前立て
  • 筋肉の力こぶを表現した装飾
  • 仮面ライダーのようなデザイン
  • 「愛」の一文字を大きく掲げたもの

など、個性が大爆発しています。

一昔前のヤンキーや、ニュースで話題になる成人式の服装と重ねて話すと、子どもたちは一気に納得します。

戦国時代も、「目立った者勝ち」の世界だった

どうやら戦国時代も、「目立った者勝ち」の世界だったようです。


小ネタ④|江戸時代の庶民の娯楽?目で見るなぞなぞ「判じ絵」

ここで、クイズです。写真の絵は、すべて動物を表しています。何だと思いますか?

「屁」に「転々がついた火」
「戸」の「影」に隠れている
「縫い」物を逆さにしている

正解は、

①へび(「屁」に「転々がついた火」)

②とかげ(「戸」の「影」に隠れている)

③いぬ(「縫い」物を逆さにしている)

これは判じ絵と呼ばれるものです。

簡単に言えば、江戸時代に楽しまれていた「目で見るなぞなぞ」。

文字が読めない子どもや大人でも、絵を見て直感的に楽しめるため、家族や友人が集まる場での団らんの道具として親しまれていました。

  • 安価なおもちゃとして販売
  • 店の看板や広告代わり
  • 手ぬぐいなど日用品のデザイン

江戸時代の人たちも、暇つぶしや宣伝のためにクイズを楽しんでいたのです。

江戸時代の人たちも、暇つぶしや宣伝のためにクイズを楽しんでいた

おわりに|歴史をつくっていたのは、私たちと同じ「人」

教科書には制度や出来事が中心に書かれていますが、各時代を生きていたのは、私たちと同じ庶民です。

その庶民たちは、

  • 動物をかわいがり
  • 仕事の愚痴をこぼし
  • クイズで盛り上がり
  • 自分をアピールしながら生きていた

そんな「人間くささ」を知ることで、歴史は「遠い世界」から「自分たちにつながる物語」へと変わります。

5分でいい。

教科書を少し閉じて、こうした小ネタを挟むだけで、子どもたちの歴史への見方は、きっと変わります。ぜひ活用してみてください!

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