【40代教員の退職カウントダウン51:退職まで残り3年6ヶ月】
はじめに:教員退職のリアルな一歩
「教員、やめたい…」そう思っても、実際にどう動けばよいのか分からない先生は多いのではないでしょうか。
私は40代小学校教務主任(担任兼務)、2028年度末に正規教員を退職予定です。
今回の記事では 実際に教員を辞めた妻と、友人数名のリアルな体験 をもとに、「辞めたいけど不安」という先生へ、退職のロードマップをお伝えします。

教員を退職した友人たちの実例 HOW TO 教員の転職シリーズ



『HOW TO 教員の転職 〜自動車業界へ転職した友人に学んだこと〜』
『HOW TO 教員の転職 〜豊かな人生に必要な月収はいくら?〜』
『HOW TO 教員の転職 〜管理職だって嫌になる!教頭を辞めた女性教員の選択〜』
Step1:いつ退職するか決める ― 妻と友人の選択
最初にやるべきことは、「いつ退職するかを決める」です。ズルズルと先延ばししてしまうのは心にも体にも良くありません。退職の時期は、経済面や精神面で大きな差が出ます。
経験者は声を揃えて言います。まずいつ退職するかを決めましょう!
- 妻のケース
2学期中に転職活動を開始し、転職先に目処がついたので3月末での退職を決意。10月に退職意思を校長に伝えました。3月での退職は一般的なスケジュールだと思います。
- 友人のケース
精神的に限界を迎え、冬休み明けに退職することを決意。計画的ではなかったけれど「健康を守ることが一番」と決断しました。11月の中ばに退職意思を校長に伝えたそうです。 - 別の友人のケース
引継ぎや手続きを考え、夏休み中の退職を決意。5月のゴールデンウィーク明けに退職の意思を伝えました。タイミング的に夏のボーナスを受け取ることができました。経済的に安心して新生活を始められたそうです。
👉 一般的には3月末がベストですが、自分の精神状態や家族の状況を最優先に考えるべきです。

Step2:退職届を書く ― 妻が実感した「文字の力」
次のステップは退職届を書くこと。いきなり?と思ったかもしれませんが、妻曰く退職するのに最も大事なのは「決意を揺るがせない事」だそうです。全く同じことを言う友人もいたので、きっと事実なのでしょう

- 妻の体験
時期を決めたらすぐ退職届を作成。書いた文字を目にした瞬間、退職が「夢物語」ではなく「現実」になったと実感できたそうです。「書いた途端に不思議と気持ちが軽くなった」とも語っていました。 - 友人の体験
同僚の友人はまず退職届を作成。退職届を書くことで具体的な日程が決められたそうです。退職届は後に自治体指定の書式に書き直しを求められましたが、「自分の言葉で書いたこと」が最初の一歩になったと言います。
👉 書式は最初は気にしなくて大丈夫。
なぜなら自治体によって書式が決められてるし細かい規定もあるので、どっちにしろ後で書き直すことになるからです。インターネットで書式を見つけ、そのまま書けば良いと思います。
大切なのは自分の意思を「文字」にして確認し、「決意を揺るぎないもの」にすること!それが行動の始まりです。
豆知識として「退職願」と「退職届」、「辞表」の違いを知っておきましょう。
- 退職願:願い出るだけで、上司が承認しなければ退職できない
- 退職届:意思表示。基本的に受理される
- 辞表:役職や公務員の任用を辞める際に使う
教員の場合は「辞表」が正式だと思いますので、「辞表 書き方」で検索するといいと思います。
Step3:管理職との面談 ― 友人の「早めの一手」
辞めるためには校長・教頭との面談が避けられません。ここで武器になるのがステップ2で用意した退職届です。切り出し方がわからなければ「ちょっとお話が」と校長室の扉を叩き、退職届を出せば、なんの話か分かってくれます。
- 妻の体験
退職5か月前に校長へ退職の意思を伝えました。強く慰留されましたが、用意していた退職届を示すことで、自分の意思をしっかり貫けました。 - 友人の体験
退職の7ヶ月前と早めに相談したことで、スムーズに話が進みました。始めは慰留されましたが最終的には「早めに言ってくれて助かる」と管理職に感謝されたそうです。
👉 面談は口頭だけでは緊張するもの。退職届を持参することで話が進みやすくなります。
法律的には退職2週間前までに伝えればいいですが、子どもたちや職場の影響を考えると早いに越したことはありません。

Step4:退職が決まったらやるべきこと
✅ 事務職員さんに早めに伝える
事務職員さんには管理職の次に早めに伝えましょう。
ここで勤務自治体の正しい「退職届」の書き方や、退職後の保険の説明、退職金等のことについて指示がもらえます。当たり前ですが管理職は退職をしたことがないので、この点に関して正しい指示は期待しない方がいいです。
わからないこと不安なことは事務職員さんを頼りましょう。

✅ 有給休暇(年休)の消化
- 友人:心身を休めるため、年休をできるだけ使い切った。夏休みはほぼ出勤せずに給料をもらっています。
- 妻:引き継ぎを優先し、必要最低限のみ消化。後々もっと休んでおけば良かった、と後悔していました。
✅ 荷物整理・業務引き継ぎ
退職は「引っ越し」と同じ。机の中や教材整理を進め、担任・教科・部活動の引き継ぎを計画的に。
👉 妻は引継ぎを早くはじめるために同僚に退職の意思を伝えたところ、色々と詮索されたり慰留されたりと少し面倒だったそうです。最後の2週間程度を「引き継ぎ期間」と考えるとスムーズです。

Step5:退職後の健康保険 ― 妻の選択と友人の選択
退職後は健康保険をどうするか、意外と悩みどころです。
健康保険に関しては4つの選択肢があります
①家族の扶養に入る:収入のある配偶者や親が健在なら選択肢の一つです
②共済組合保険の継続:意外にも共済組合保険は2年間の限定ではありますが継続が可能です。
ただ、今まで教育委員会が支払っていた保険料の半分は自分で負担することになります
③国民健康保険への切り替え:国民健康保険に切り替えます。必要な手続きは事務職員さんが教えてくれるので安心してください。
④転職先の健康保険:転職先や年収によって変わります。詳しくは転職先に確認しましょう。
- 妻の体験
共済組合継続(25,860円/月)と国民健康保険(20,530円/月)で比較検討。最終的に国保を選びました。国民健康保険は年収によって保険料が変わるので、年収ダウンの妻は共済組合継続よりもコスパが良いと判断したとのこと。 - 友人の体験
妻が正社員だったこともあり、配偶者の扶養に入りました。保険料ゼロです。家計的に最も助かったと語っていました。
👉 うつ病などの疾患を抱えている先生は保険料だけでなく「傷病手当金の継続可否」で選択肢が変わります。

合わせて読みたい:教員の退職金はいくらもらえる?
退職金に関しては以前の記事で解説しています。ぜひこちらも読んでみてください。
「第2の人生の軍資金?自己都合退職の場合、退職金はいくらもらえるの?」
「【教員の退職金】自己都合退職でもいくらもらえる?25年勤続の相場と税金を解説」
「退職金にかかる税金を計算してみよう【教員向け完全ガイド】」

実体験から見えた退職のポイント
- 妻:退職届を書くことで「決意」が固まった
- 友人:早めに管理職に相談することで「摩擦」を回避できた
- 共通点:事務職員さんは退職時の最大の味方
👉 実体験は、教員退職の不安をリアルに解消してくれるヒントになります。
まとめ:教員退職はあなたの人生の一歩
体験談から分かったのは、退職において最も大切なのは「決意し、揺るがないこと」です。退職が決まれば、後は事務職員さんが色々教えてくれますし、困ることはなかったとのこと。
- まずは退職届を書いて決意を形に
- 管理職との面談は退職届を「武器」に
- 退職の時期は健康・家計・生徒のバランスを考慮
- 健康保険はケースごとに最適解を選ぶ
教員退職は大きな決断ですが、妻や友人の実体験を知ることで私自身不安は小さくなりました。
私は2028年度末に正規教員を退職します
「自分の人生は自分のもの」──その意識を大切に、新しい一歩を踏み出してください。私もそこに向けて準備し続けます!

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