第2の人生の軍資金?自己都合退職の場合、退職金はいくらもらえるの?

教員の転・退職

【40代小学校教員の退職カウントダウン40:退職まで残り3年6ヶ月】


はじめに

教員の自己都合退職金って結局いくらもらえるの?
早期退職を考えている先生を中心に、そんな疑問を持つ方も多いと思います。

私は40代小学校教務主任(担任兼務)。2028年度末に正規教員を早期退職予定で、サイドFIREを目指しています。

以前の記事で、私自身が退職時にもらえる退職金について情報を共有しました。結論から言うと、私は1300万円〜1400万円ほどもらえます。

【教員の退職金】自己都合退職でもいくらもらえる?25年勤続の相場と税金を解説

今回は、前回の記事作成時に自分自身が調べた内容に加えて、事務職員さんや実際に退職された先生方から教えてもらった情報を整理してみました。

早期退職を検討中の先生方に参考にしていただければ幸いです。


教員の退職金のしくみ

退職金の計算式

退職金は以下の式で計算されます。

退職金 = 退職時の月給 × 支給率 + 調整額(役職手当分)

  • 月給:基本給+地域手当+教職調整額(4%)
  • 支給率:勤続年数と退職理由で決まる(自己都合は低め)
  • 調整額:管理職など特定の役職に就いていた場合に支給

それぞれをもう少し詳しく解説します。読み飛ばし可です

  • 月給には、基本給に加えて「地域手当」や「教職調整額(4%)」も含まれます。地域手当が都道府県ごとに違うために、退職金が全国一律ではありません。
  • 支給率は都道府県教育委員会のホームページなどで退職手当条例/支給率表が確認できるはずです。※3年半後に退職する私の場合は勤続25年の自己都合退職で支給率は33.5です。3月に私の後輩が退職したときは勤続4年の自己都合退職で2.4でした。

       以下に公立学校共済組合のホームページにあった支給率を掲載します。

公立学校共済組合ホームページより

  • 調整額は、役職について働いた人のみに支払われるおまけみたいなものです。どの役職に何か月就いていたかで調整額が算出される仕組みです。基本は管理職や教務主任、教育委員会の役職が該当するので、学年主任や生徒指導主事などの校内分掌は対象になりません。ただ例外もあります。これも都道府県教育委員会のホームページから退職手当条例/支給率表を参照するとわかります。

自分で計算する3ステップ

  1. 退職時の月給を確認(基本給+地域手当+教職調整額)
  2. 支給率を表で確認(都道府県の退職手当条例に掲載)
  3. 調整額を当てはめる(ただし、以下の条件あり)
    • 勤続9年以下:なし
    • 勤続10~24年:半額
    • 勤続25年以上:満額

自己都合退職時の退職金の大まかな目安

参考までに年代別、地域別の自己都合退職の退職金の概算を表にしました。あくまで概算なので、ご自分の退職金はご自分で計算してください

自己都合退職金の概算(地域×年代/概算・万円)
地域 \ 年代 20代(5年) 30代(15年) 40代(25年) 50代(35年)
北海道 50–80 450–600 1,050–1,350 1,600–2,000
東京都 60–90 500–700 1,100–1,500 1,700–2,200
大阪府 50–80 430–620 1,000–1,400 1,600–2,050
広島県 50–80 450–620 1,050–1,400 1,650–2,050
沖縄県 45–70 400–580 950–1,350 1,500–1,900

東京都は地域手当等で俸給水準が高め→退職金も相対的に高め。反対に沖縄は地域手当の差で若干低めになっています。

ちなみに定年平均は、概ね2,100〜2,300万円で、自治体間に200万円前後の差があります。

退職金が支給されないケース

残念ながら退職金が1円も支給されないケースもあります。それが以下の二つ

  • 勤務6か月未満で退職
  • 懲戒免職(重大な規律違反など)

まとめ

  • 退職金は「退職時の月給 × 支給率 + 調整額」で計算される
  • 自己都合退職は定年より少なくなる
  • 退職金の変動要因、大きくは勤続年数、定年か自己都合か、地域手当等の月給の差の3つ

私の妻は個人事業を立ち上げるために教員を早期退職しました。

退職金は少なかったものの、それを元手に自己投資をして個人事業を立ち上げ、今は笑顔の人生を送っています。詳しくはこちらの記事で→「HOW TO 教員の転職 〜でろりん妻の場合〜」


退職金は第2の人生の軍資金になり得る大切なお金です。
ぜひご自身でも具体的な金額を調べ、人生設計に組み込んでみてください。

参考にどうぞ① HOW TO 教員の転職シリーズ

HOW TO 教員の転職 〜でろりん妻の場合〜

HOW TO 教員の転職 〜自動車業界へ転職した友人に学んだこと〜

『HOW TO 教員の転職 〜教員から伝統芸能へ〜』

『HOW TO 教員の転職 〜豊かな人生に必要な月収はいくら?〜』

『HOW TO 教員の転職 〜管理職だって嫌になる!教頭を辞めた女性教員の選択〜』

参考にどうぞ② おすすめの本紹介

退職後のセカンドライフを考えるにあたって興味深い書籍があるのでご紹介します。セゾンの社長中野さんの著書『退職金バカ』です。

退職金をどう守り、どう活かすかをわかりやすく説いた一冊。長年教育現場で忙しく過ごし、投資や資産運用に時間を割けなかった先生方こそ必読です。

なお、退職金や老後の年金の額に不安がある人はiDeCo(個人型確定拠出年金)という制度があります。iDeCoについてわかりやすく解説したおすすめの本がこちらです。

iDeCoについて本当に簡単に説明されており、1時間程度で読み終わる文量です。普段忙しくて本を読む暇があまりないという先生でも読みやすいです。

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