HOW TO 教員の転職〜妻の場合〜

教員の転・退職

【40代小学校教員の退職カウントダウン③:退職までのこり3年7ヶ月】

40代小学校教員の転職って、実際どうなの?

そんな疑問を持っている方へ。

心や体を壊して辞めた人はいても、元気なまま転職した人はほとんどいませんよね。

他業種から教員になる人は職員室で見かけるけれど、その逆はレアケース。

私は40代小学校教員・教務主任(担任兼務)です。3年半後の2028年度3月に正規教員を退職予定

今回は、そんな珍しいケースである「元気なまま教員から転職した妻」のリアルな軌跡をお届けします。

この記事を読めば、教員の転職を考える際のヒントや、踏み出すための具体的なイメージがつかめるはずです。

前回の記事「退職を決意した具体的経緯」はこちら


教員を辞めて向かった先は「ペット業界」

妻が退職を決意したとき、次のプランとして口にしたのは――

「ペット業界の仕事がしたい。具体的にはペットシッター!」

教員からペットシッターに転職した妻

(※ペットシッターが気になる方はこちら記事へ→「ペットシッターって何?」)

しかし、3月に教員を辞めて翌月からすぐペットシッター…というのは現実的ではありません。

理由は2つ。

  • 資格や技術(動物愛護関係、トリミング等)が必要
  • 子どもは中学生と小学校高学年で教育費ピーク前夜、収入ゼロはリスク大

しかも妻は、ペットシッター会社の従業員ではなく個人事業主として開業したいと言います。

正直「いや、無理じゃね?」と思いました(笑)

妻は課題をこう整理しました。

  1. 資格取得・技術習得・開業準備が必要
  2. 実務経験も必須
  3. 準備時間を確保するため早期退職が欠かせない
  4. 収入ゼロは家族にとってリスクであることは承知

そこで、妻は3つのステップで夢を実現する道を選びます。


ステップ1:軸ずらし転職で収入と時間を確保

教員を続けながらペットシッター開業準備をするのは無謀。

かといって、退職直後に収入ゼロも無謀。

そこで妻は軸ずらし転職を選びました。

これは、自分のキャリアの軸を完全には変えず、少し方向や業界をずらす転職方法です。

妻の強み

  • 教員生活15年のキャリア(教員免許保有)
  • 子どもと関わることが好きで、成長を見守るやりがいは感じられる

この強みを活かし、妻が選んだのは児童発達支援施設の常勤職員

理由は以下の通り。

  • 教員経験がそのまま役立つ(教員免許があると採用に有利)
  • 事業所が自宅から徒歩3分
  • 勤務時間は10時〜19時、収入は教員時代の約3分の2

こうして、時間と収入のバランスを取りながら次の準備へ進みます。


ステップ2:資格・スキル習得と実務経験

4月からの生活はこう変わりました。

  • 朝:愛犬の散歩+資格学習(聞き流し)
  • 日中:児童発達支援施設勤務
  • 週2回:夜間(20〜22時)トリミング研修

資格学習やトリミング研修はあるものの教員時代よりも多忙感は軽く、土日や勤務後は完全にOFF。妻は「心の余裕が全然違う」と楽しそうでした。

資格取得とトリミングスキルを習得後は、児童発達支援施設を非常勤にシフトし、

ペットシッター・ペットショップ・トリミングサロンでアルバイトを開始。実務経験を積みます

収入はやや減ったものの、妻の心の余裕から外食や浪費が減り、生活の満足度はむしろ上がりました。

教員からペットシッターに転職した妻

ステップ3:開業準備からスタートへ

働き始めて2年後、児童発達支援施設を退職(人手不足のため時々アルバイトで支援)。

同時に、トリミングサロン・ペットショップ勤務を続けながら、

  • 開業届提出
  • チラシ作成
  • ホームページ開設

を進め、2023年9月にペットシッターとして個人事業開業。退職から約2年半で、夢のスタートを切りました。

ペットシッターって何?【仕事内容・料金・利用シーンをわかりやすく解説】

ちなみに認知度はまだ低いですが、ペットシッターは旅行や仕事などでペットのお世話ができない人のためのサービスです。忙しい教員がペットを飼うときの心強い味方になります。


リスクヘッジも万全

妻の開業は訪問型サービスのため店舗不要。予約や集客はネットで完結します。つまり開業資金が少なくて済むのです。

さらに、アルバイトやブログ収益も継続しており、最低限の収入は確保

開業から2年経ち、繁忙期は昼食を取る暇もないほど依頼が増え、アルバイト時間も減少。

教員時代の収入にはまだ届かないものの、

  • 執筆やペットライターの仕事
  • 事業拡大の兆し

    が見えています。

何より、好きなことを仕事にし、犬や猫に囲まれて暮らす妻は、教員時代よりずっと楽しそう。

家族全体の幸福度も上がりました。


まとめ:教員の転職は一歩から

「教員からの転職は難しい」と思いがちですが、妻の経験はこう語ります。

躊躇せず、一歩を踏み出せば意外と道は開ける。

安定した収入を守りつつ時間を作る「軸ずらし転職」、

そこから資格や経験を積むステップを踏めば、夢への現実的な道筋が見えてきます。


📌 次回予告

次回は「夫婦で教員辞めたらその後の生活はどうする?」についてお話しします。

教員からの転職実例 HOW TO 教員の転職シリーズ

『HOW TO 教員の転職 〜自動車業界へ転職した友人から学んだこと〜』

『HOW TO 教員の転職 〜教員から伝統芸能の世界へ〜』

『HOW TO 教員の転職 〜豊かな人生に必要な月収はいくら?〜』

『HOW TO 教員の転職 〜管理職だって嫌になる!教頭を辞めた女性教員の選択〜』

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