40代教員の退職後プラン|常勤講師の給与比較から見える現実

教員の転・退職

【40代小学校教員の退職カウントダウン28:退職まで残り3年7ヶ月】


はじめに

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)。

2028年度末に正規教員を退職する予定です。

前回の記事では、私が考えている「退職後の生き方プラン」の一つ、常勤講師で全国を旅する“漫遊計画” をご紹介しました。

「1年ごとに勤務地を変えながら、その土地で教え、週末は観光を楽しむ」――そんなライフスタイルを描きながら、人生の選択肢が広がることにワクワクしているのが正直な気持ちです。

ただし、このプランを現実的に考える上で欠かせないのが「収入の目安」です。

そこで今回は、常勤講師の給与体系と、漫遊計画の候補地である愛知・東京・広島・福岡・沖縄の比較をまとめました。


常勤講師の給与はどう決まる?

常勤講師の給与は「教育職給料表(1級)」に基づいて計算されます。

  • 正規教員(2級)より低めの基本給
  • 過去の勤務歴(前歴)は換算されるが、号給には上限あり
  • 手当(地域手当・教職調整額・住居手当など)は正規教員とほぼ同様に支給

つまり「経験はある程度考慮されるが、正規のときほどの水準には届かない」ことが大きな特徴です。そしてこの給与体系は、県ごとに異なるのが特徴です。


5地域での給与比較(22年経験・常勤講師の場合)

私が漫遊計画の候補地としている5都市の給与を比較してみます。今年私が辞めたと仮定して、正規教員経験を22年分加算した給与です。

地域 総支給額(月額) 手取り額(月額) 住居手当(上限)
愛知県 約37万円 約28〜29万円 28,000円
広島県 約37万円 約28〜29万円 28,000円
東京都 約53万円 約40万円強 28,000円
福岡県 約37万円 約28〜29万円 28,000円
沖縄県 約37.8万円 約28〜29万円 27,000円前後


※社会保険・税金控除後の手取り額は概算

地域差から見えるポイント

こうして比較すると、常勤講師の給与には地域ごとの特徴がはっきり見えてきます。

  • 東京は別格  地域手当20%のインパクトは大きく、常勤講師でも月50万円を超える総支給額。手取り40万円前後は、正規教員時代に近い収入です。都市部特有の家賃や物価の高さを考慮しても、地方との差は歴然で、「収入重視」の方には最有力の勤務地といえます。
  • 愛知・広島・福岡は横並び  この3県は月収37万円前後、手取り28〜29万円程度とほぼ同水準。いずれも「生活に必要なお金は十分カバーできる」ラインで、地域ごとの文化や観光を楽しみながら暮らすにはバランスの良い水準です。
  • 沖縄は特殊ケース  給与表そのものが2級適用で基本給が高めに設定されている一方、地域手当がゼロ。その結果、総額は37万円台に収まり、地方と大差ありません。ただし「温暖な気候」「リゾート地に住む」というライフスタイル価値を考えれば、お金では測れない魅力が大きいでしょう。

漫遊計画と給与の現実

前回の記事でご紹介した「常勤講師で全国漫遊計画」は、給与が正規時代より下がることを前提にしています。

しかし私の場合、すでに資産運用を継続しており、教育費と老後資金の目処が立っているため、「生活費のためにフルタイムでがっつり稼ぐ必要はない」状態に近づきつつあります。

ここで参考になるのが コーストFIRE(Coast FIRE) という考え方です。


コーストFIREとは?

FIRE(Financial Independence, Retire Early)は「経済的自立と早期リタイア」を意味しますが、その中でも コーストFIRE は、若い頃に十分な投資をしておくことで「これ以上追加投資をしなくても、将来の老後資金は運用で賄える状態」を指します。

つまり、生活費をカバーするために働く必要はあるけれど、老後資金の不安から解放されている状態です。

簡単にいえば老後貯蓄を考えず、もらった給料を全て生活と遊興に使用しても問題ない状態であるということです。

働き方の自由度が増し、フルタイム正規雇用にこだわらず「自分に合った仕事」を選べるのが最大のメリットです。

コーストFIREについてもっと知りたい方はこちら↓私はKindle版で読みました


私の場合の「コーストFIRE的な常勤講師生活」

この概念を当てはめると、常勤講師の給与(手取り28〜30万円程度)は、老後の備えを気にせず「今の生活を楽しむ」ための資金として割り切れます。

  • 正規教員時代ほどの収入はないが、家計の基盤は投資資産で確保済み
  • 常勤講師の給料は「日常の生活費+旅の資金」に充てる
  • 余暇時間や週末は**その土地ならではの体験(観光・食・文化)**に投資できる

これが、まさにコーストFIRE的な「資産に守られながら、働きつつ人生を楽しむ」スタイルです。


まとめ

常勤講師の給与は地域によって差はあるものの、28〜40万円程度の手取りが期待できます。

資産形成を済ませた上でこの収入を得られるなら、生活の基盤を維持しながら、自分のやりたいことに時間とエネルギーを注ぐことができる

つまり「常勤講師で全国漫遊計画」は、ただの夢物語ではなく、コーストFIRE的なセカンドライフの実現プランとしてかなり現実味を帯びてきた、と感じています。

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