授業で使えるちょっとした小ネタシリーズ④「地図帳を使った地名探しゲーム」

教師のお仕事

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はじめに

社会科の授業で、「地名や場所がなかなか子どもたちの頭に入らない」と感じたことはないでしょうか。

私はこれまで、20年以上小学校・中学校で社会科教員として働いてきました。

社会科を構成する要素は多岐にわたりますが、その土台に必ず必要なのが、地図を頭の中で思い描く力だと感じています。

たとえば――

  • 関ヶ原がどのあたりにあるから、東西の軍が何度もぶつかったのか
  • 対馬がどこにあるから、日本の「玄関口」となったのか
  • 国や地域によってルールや価値観が違うのは、どんな場所に位置しているからなのか

こうした理解は、地名や位置関係が頭に入っているかどうかで、解像度が大きく変わります。

もし、地図や地名が「暗記」ではなく「楽しい活動」として、子どもたちの頭に入っていったら

そう思ったことはありませんか。

そこで今回紹介するのが、私が小学3年生から中学3年生まで、社会科の授業の開始5分で必ず取り組んできた「地名探しゲーム」です。

社会科の授業の開始5分で必ず取り組んできた「地名探しゲーム」

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。

この「授業で使えるちょっとした小ネタ」シリーズでは、20年以上の教員経験の中で「これは使える」「子どもの反応が明らかに違った」そんな小ネタを中心に紹介しています。


準備不要・5分でできる「地名探しゲーム」

このゲームは、はっきり言ってとてもシンプルです。

事前準備は一切不要。

必要なのは、地図帳だけです。

やることは一つ。教師が出題した地名を、地図帳の中から探す。それだけです。

教師が出題した地名を、地図帳の中から探す

実際の進め方①|世界地図編

私の社会科の授業では、授業開始の挨拶が終わると、子どもたちは自然と地図帳の全世界地図を開いて準備しています。

そこで、私が地名を一つだけ言います。

「アンタナナリボ(例)」

すると、子どもたちは一斉に地図帳を見始めます。

世界地図の中のアンタナナリボ
  • 見つけた人から挙手
  • 挙手した順に順位をつける

私はだいたい6位くらいまで順位を数えます。

人数が多すぎても時間がかかり、少なすぎても広がらない、このゲームには6人前後を数えるのがちょうどよいと感じています。


ヒントは「地図の見方」を意識して出す

途中で、必ずヒントを出します。

このときのヒントは、地図の見方そのものを意識したものにします。

たとえば――

  • 日本から見て南西の方角
  • 南半球にある
  • 南北アメリカ大陸ではない

といった具合です。

単なる早押しゲームにせず、方位・大陸・位置関係に目が向くようにしています。


見つけた子が「教える側」になる仕組み

6位まで順位をつけたら、その6人にこう指示します。

「まだ見つけていない人に、場所を教えなさい」

教えてもらった子は、さらに別の子に教えます。

こうして、見つけた情報が教室全体に広がっていく流れをつくります。

見つけた情報が教室全体に広がっていく流れ

その間に、最初に見つけた6人にご褒美シールを渡し、世界地図の余白に貼らせます。

時間に余裕がある授業では、出題した国や町の豆知識を少し紹介することもあります。


実際の進め方②|日本地図編

世界地図が終わると、子どもたちは次に日本地図を開いて待っています。

再び、私が地名を一つ言います。

「相馬市(例)」

流れは世界地図編と同じです。

ヒントも、

  • 東京(※学校のある場所を基準にすると効果的)から見て北
  • 東北地方にある
  • 青森県ではない

など、位置関係を意識したものを出します。

6位までに見つけた子には、日本地図の余白にご褒美シールを貼らせます。


実際の進め方③|地方地図編

最後は、地方地図です。私は中部地方の教員なので、中部地方の地名探しを行っています。

学校の所在地に合わせて、どの地方でも応用できますし、学齢に合わせて市の地図や県の地図にしてもいいでしょう。

最後は、地方地図

1年間続けると、確実に変わる

1年間の最後の社会科の授業では、貼ったシールの数をもとに、

  • 世界地図名人
  • 日本地図名人
  • ○○地方地図名人

として表彰します。

たったこれだけですが、子どもたちは驚くほど本気になります。

1年の終わりに地図名人として表彰

なぜ、ここまで盛り上がるのか

やってみると分かりますが、こんなに単純なゲームなのに、とても盛り上がります。

子どもたちに理由を聞くと、多くがこう答えます。

「他の人が見つけられない地名を、一番に見つけたときが気持ちいい」

また、あまり知られていない地名を問題にすると、学力差がほとんど影響しません。

社会が苦手な子が活躍する場面も、たくさん生まれます。社会科が苦手な子が

「1時間全部、地名当てゲームだったら俺が大活躍なのになあ」と呟いていたこともありました。


続けることで身につく力

2か月ほど続けると、変化がはっきり見えてきます。

  • 方位を自然に確認するようになる
  • 地図上の位置関係を意識するようになる
  • 有名都市の位置は、意識せずとも覚えている

やがて、県庁所在地やロンドン、ニューヨークや北京といった聞き馴染みのある地名は、簡単すぎて問題にできなくなります。

ヒントとして使っていた大陸名や地方名も、いつの間にか定着しています。

その結果、地理だけでなく、歴史や公民の理解度も確実に上がります。

この2冊は、私が社会科教師として買ってよかった地図の教材研究用の本です。楽しみながら地図の面白さに触れることができます。社会の教材研究としても、個人的な楽しみとしてもおすすめの本です。


おわりに

地図帳さえあれば、準備は不要。短時間で取り組めて、効果も高い。

「地名探しゲーム」は、社会科の授業の導入として、とても相性のよい小ネタです。

社会の授業の最初5分。ぜひ一度、取り入れてみてはいかがでしょうか。

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