HOW TO 教員の恋愛シリーズ⑨ 初任者と教務主任──職員室で静かに芽生えた、いけない恋の行方

教師のお仕事

【40代教員の退職カウントダウン114:退職まで残り3年3ヶ月】

はじめに

教員の世界には、外からは見えない“恋愛模様”が息づいています。

もちろん、教師は子どもの手本であるべき存在です。しかし同時に、教師もまた人間であり、職員室という狭い社会の中で誰かに惹かれてしまうことがあります。長く教員を続けていると、そんな“いけない恋”に出会う場面を思いがけず目撃するものです。

今回紹介するのは、初任者の若い女性教員と、指導教官である教務主任の物語。

職員室あるあるとも言える関係ですが、その裏側には、誰にでも起こり得る“弱った心”のドラマがありました。

私は40代の小学校教務主任(担任兼務)で、2028年度末に正規教員を退職予定です。
※詳しくはこちら → 【私が退職しようと決意した具体的経緯

※もちろんこの記事は、不倫を肯定するものではありません。


登場人物

● 原田先生(24歳/女性・仮名)

以前【修学旅行の下見から始まる職員室ラブストーリー】に登場。

大学卒業後すぐに非常勤講師として勤務し、2学期途中から担任経験ゼロのまま病気で離任した4年生担任の代役として着任。経験が浅いながらも多くの助言を吸収し、半年間の担任業務を立派に乗り切る。年度中に採用試験にも合格し、翌年度は他校へ新任として赴任。

原田先生(24歳/女性・仮名)

● 伊藤先生(40代前半/男性・仮名)

原田先生の新任校の教務主任で、新任指導担当。

理科教育のスペシャリストで、市の理科研究会の研究主任も務める“切れ者”。既婚で子どもが二人いる。私と直接の面識はない。

伊藤先生(40代前半/男性・仮名)

「この子は伸びる」──原田先生の最初の印象

原田先生に初めて会ったとき、私はすぐに

可愛らしいけれど、芯が強く、素直で成長する力を持っている。

と感じました。担任経験ゼロの23歳が年度途中の4年生を任されると聞いたときは不安もありましたが、彼女は驚くほど柔軟に周囲のアドバイスを吸収し、真摯に子どもと向き合いながら担任を務め上げました。

その頑張りから、学校中が翌年の彼女の離任を惜しんだほどです。

私は着任から彼女のサポート役として関わっていたため、他校に移ってからも何度か数人で食事会を開き、新年度の様子を聞く関係が続きました。

他校に移ってからも何度か数人で食事会を開き、新年度の様子を聞く関係が続きました

新任としての挑戦と、支えとなった教務主任

原田先生が新任として赴任した学校でも、4年生の担任として初任者ながら着実に信頼を積み重ねていきます。

食事会での彼女の話の中でいつも名前が出てきたのが、指導教官の伊藤先生でした

  • アドバイスの質が高い
  • 困ったときの支えが的確
  • 職員からも生徒からも慕われている

彼に対する尊敬の気持ちは、話を聞く限りすぐに伝わりました。

しかし、酒が入ると彼女は少し違う表情を見せるようになります。

とても40代に見えないし、かっこいい

奥さんとお子さんがいるのが残念なんです

もちろんこれらの発言は冗談ぽく、真剣な感じではありません。

それに、この時点では原田先生には長く付き合っている恋人がおり、伊藤先生に対する思いは憧れの域を超えないだろうと私は思っていました。

酒が入ると彼女は少し違う表情を見せるようになります

プロポーズ、そして迷いの芽生え

年度末、原田先生が恋人にプロポーズされたというので、私たちはささやかな祝賀会を開きました。

しかしその席で、彼女はふと漏らしました。

長く付き合ったから結婚するんだと思いますけど……本当にこれでいいのか、少しだけ迷うんですよね

その時は「マリッジブルーだよ」と軽く流しましたが、今思えば、この時にすでに迷いは静かに芽生えていたのだと思います。


荒れた6年生、研究授業任命…

原田先生の心がすり減る

新年度、原田先生は新任2年目にして荒れている6年生の担任に。

さらに学校代表の研究授業まで任されました。

周囲が避ける役割が、断れない原田先生に回ったという話も聞きました。

仕事量は急増し、学級経営も研究授業の準備も重なり、原田先生は目に見えて疲弊していきました。誘ってもなかなか食事に来られない日が続き、私たちは彼女が心配でした。


変化──そして“嫌な予感”

2学期後半、久しぶりに食事会に参加できるという連絡がありました。

姿を見た瞬間、誰もが思いました。

「……きれいになった?」

アクセサリー、メイク、雰囲気。

どこか、以前とは違う“大人の女性”の空気をまとっていました。

この時、私は言葉にできない嫌な予感を覚えました。

……きれいになった?

禁断の恋の告白

その食事会で、原田先生は驚くべき話を打ち明けました。

婚約していた恋人とは別れたこと。

そして──伊藤先生と“関係”があること。

話の流れは典型的でした。

  • 元々尊敬していた存在
  • 荒れた学級と研究授業で弱った心を支えてくれた
  • 職員室では話しにくいこともあるからと、二人で食事に行くようになった
  • プライベートの話もするようになり、伊藤先生の家庭不和を知る
  • 恋人と比較してしまい、年上の包容力へ傾く
  • 気づけば戻れないほど気持ちが動いていた
伊藤先生と“関係”がある

私たちは全力で止めました。しかし原田先生は聞き入れません。

そして食事会の途中で、「伊藤先生が迎えに来てくれたので」と言って帰っていきました。

原田先生が私たちの食事会に参加したのは、これが最後でした。


その後──それぞれが失ったもの

後に伝え聞いた話では、二人の関係は学校中の噂になり、他校にまで広がったそうです。

職場でキスを目撃されたという話までありました(真偽不明ですが)。

ただ、伊藤先生の奥さんには不倫はバレず、不倫理由ではない形で離婚が成立したと聞きました。

伊藤先生は現在、主幹教諭となり昇進の道を進んでいます

原田先生は教員を退職し、上海の日本人学校で勤務しているとのこと。

上海の日本人学校で勤務

原田先生は、元の恋人とも伊藤先生とも結婚していません。

今も関係が続いているのかは分かりません。

最後に聞いた原田先生の言葉が忘れられません。

「離婚してくれるなら、慰謝料200万円くらい払ってもいい」

……あの優しくて真面目だった原田先生の口から、そんな言葉が出るとは思いませんでした。


“弱った心が恋を生む”という落とし穴

人は、追い詰められたときに支えてくれた相手に恋をしてしまうことがあります

それは本物の恋というより、“依存”に近いものなのかもしれません。

その感情は時に、人生を動かすほど強烈なのでしょう。

そして、その強烈さゆえに、周囲が引くほど人の印象を変えてしまうのだと思います。

伊藤先生と原田先生が今どうしているかはわかりません。

伊藤先生は家庭を捨て、原田先生は長年の恋人との将来を捨てました。

どこかで止めることはできなかったのだろうか。私の胸には今も、そんな複雑な思いが残っています。


おわりに

次回は、私が知る最後の禁断の恋。

「既婚者同士のいけない恋」について書こうと思います。

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