【40代教員の退職カウントダウン77:退職まで残り3年5ヶ月】
はじめに
「大学で教職課程を取っていなかったけれど、やっぱり教師になりたい」──そんな思いを叶える道が、教員資格認定試験です。
本記事では、この試験の仕組みや目的、合格率、難易度、そして挑戦するメリット・注意点までを、社会人・転職希望者にもわかりやすく解説します。
私は40代小学校教務主任(担任兼務)、2028年度末に正規教員を退職予定です。
詳しくはこの記事をどうぞ→【私が退職しようと決意した具体的経緯】
教員資格認定試験とは?制度の目的と位置づけ
教員資格認定試験は、教育職員免許法第16条に基づく国家試験です。
大学などで教職課程を履修していなくても、合格後に都道府県教育委員会へ申請すれば普通免許状(幼稚園・小学校・特別支援など)が授与されます。
この試験の目的は、他分野出身者や社会人の教職参入を促すこと。教育現場に多様な経験や視点を持つ人を迎え入れることを狙いとしているそうです。
ただし、すべての校種・教科で実施されるわけではなく、主に「幼稚園教諭二種」「小学校教諭二種」「特別支援学校(自立活動)」が対象です。
免許の階層(一種、二種)の違いはこの記事で詳しく解説しています↓
【教員免許の種類と階層をわかりやすく(現職教務主任が解説)】
近年は「高等学校・情報」教員資格認定試験が再開され、注目を集めています。

試験の仕組み:一次(筆記)と二次(実践・面接)
一次試験(筆記)
- 教職教養、教育原理・心理・法規など(択一)
- 教科の基礎知識(択一)
- 教育観や授業づくりを問う論述・記述問題
前半の問題の正答率が一定基準に満たないと、後半の論述問題が採点対象外になることもあり、知識と考える力の両方が求められます。
二次試験(実践・面接)
模擬授業や指導案作成、面接、小論文、グループ討議など、より現場に近い内容が課されます。
「知っているか」ではなく、「どう教えるか」「どう関わるか」を総合的に評価されます。
合格率と難易度
小学校の直近データでは、受験者約800人中、合格率はおよそ20%前後。
年度によっては10〜30%の幅があり、難易度は高めです。
高校「情報」では6〜20%台とさらに狭き門です。
出題範囲が広く、教育法規や教育心理、学習指導要領、授業設計まで問われるため、大学の教職課程に匹敵するレベルの理解力と実践力が求められます。

どんな人が受験している?
受験者の中心は、社会人の30〜40代。
「大学では教職課程を取らなかったけれど教育に関わりたい」「一度は企業に勤めたけれど子どもに教えたい」という人が多く、通信講座や独学を組み合わせて勉強しています。

メリットとデメリット
メリット
- 大学に通い直さなくても免許取得のチャンスがある 時間・費用を抑えて挑戦できるのが最大の魅力。
- 短期間で結果が出る 最短で半年〜1年で免許取得が可能です。
- 教育への熱意を形にできる 模擬授業や論述を通じて、自分の教育観を具体的に表現できます。

デメリット・注意点
- 合格率が低い・独学が難しい 合格率は10〜20%台。複数年挑戦する人も多いです。
- 対象が限定されている 中学校・高校など、多くの教科では実施されていません。
- 実践的な準備が必要 模擬授業・面接対策・指導案作成など、自主的トレーニングが欠かせません。
- 制度変更の可能性 実施科目や方式は見直されることがあるため、最新情報の確認が必要です。

試験に向いている人
- 教職課程を履修していないが、教育に関わりたい社会人
- 働きながら資格を取りたい人
- 短期間で教員免許を取得したい人
- 自分の経験や専門分野を教育現場に活かしたい人
学習の進め方(最短ロードマップ例)
- 1〜2か月: 試験全体像の把握、教育法規・教職教養の基礎固め
- 3〜4か月: 教科基礎の得点源化、論述テンプレート作成
- 5〜6か月: 模擬授業練習、指導案作成、面接・小論文の添削
- 直前期: 学習指導要領の確認、弱点分野の総仕上げ
ポイントは、知識問題で落とさない基礎力と論述・模擬授業での具体性。
「自分の教育観」を言語化しておくと、面接でも説得力が増します。
合わせて読みたい:教員の教養シリーズ『教員免許』
【HOW TO 教員免許の取り方 〜教員免許が取得できる6つのルートを徹底比較〜】
【教員資格認定試験とは?社会人でも教員免許が取れる“もうひとつの道”を徹底解説】
【教員免許更新制度はなぜ廃止されたのか?制度が生まれた理由と、現場が感じた限界】
まとめ:あなたの経験を、子どもたちの学びへ
教員資格認定試験は、社会人にも開かれた“もうひとつの教員免許取得ルートです。
大学に通い直す時間や費用がなくても、努力次第で教壇に立つ資格を得ることができます。
難関ではありますが、教育現場ではあなたの社会経験が確実に求められています。
「子どもに教えたい」という情熱があるなら、挑戦する価値は十分です。



コメント